風にそよぐ葦 後編

劇場公開日:

解説

製作スタッフは、音楽担当が前編の高木東六が後編では、伊福部昭に変更になっている以外は変化がない。出演者は、後編になって、千田是也、清水将夫、細川俊夫、恩田正一などが新登場している。(尚、前編の葦沢茂子の東山千榮子は長岡輝子、児玉咲子の村瀬雪子は坪内美子に、紹介後変更になったので、ここで訂正しておきます)。

1951年製作/96分/日本
原題または英題:Reed in the Wind
配給:東映
劇場公開日:1951年3月10日

ストーリー

榕子は強引に自分に求愛し自分もそれにいささかひかされていた広瀬が亡夫の仇敵であったと知って、彼からの贈り物をつき返すため広瀬を尋ね、かえって彼から犯されてしまった。悄然と家に帰った彼女の許に、宇留木からの求愛の手紙が来ていた。数日後宇留木が訪ねて来たとき、榕子は彼にすべてを打ち明けて結婚した。やがて宇留木は同盟通信社から満洲へ派遣され、終戦と共に消息を絶った。児玉家の焼け残った母家に住んで、榕子は女の児を生んだ。葦沢家の邦男は復員して来たが、敗戦に荒ぶれた彼の眼中には最早有美子の存在はなく、有美子はひとり淋しく死んで行った。児玉博士はその衝激で脳溢血で殪れた。榕子は、母と子をその細腕で養って行かなければならず、尾形ふさ子に応接間を間貸ししたりしてしのぎをつけた。闇ブローカーから広瀬に近づいた邦男は、広瀬から彼と榕子との関係をきかされ欲情をあおられ、風呂帰りの榕子に襲いかかろうとした。しかし、暗い生活にも光りの射す日がやって来た。宇留木が思いがけず帰って来たのである。一本のビールに酔って得意の歌をうたう夫の顔を、榕子は苦難に衰えた頬をつたう涙を拭おうともせず見上げるのだった。

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