弥次喜多猫化け道中

劇場公開日:

解説

製作・企画は「無頼漢長兵衞」「獄門島(1949)」のマキノ満男。脚本は秋篠珊次郎と中島茂樹の協力で「色ざんげ(1948)」以来の井上金太郎が演出する。キャメラは「わが子ゆえに」の藤井春美が担当する。出演は「花の日月」の杉狂児、「恋狼火」の小堀誠、「獄門島(1949)」の喜多川千鶴「鐘の鳴る丘 クロの卷」の逢初夢子、「遊侠の群れ」の高田浩吉らのほか、楠本繁夫、並木路子、花菱アチャコ、それに出羽ケ獄、松井翠声が特別出演する。

1949年製作/74分/日本
配給:東横
劇場公開日:1949年10月20日

ストーリー

お江戸日本橋振り出しに、弥次喜多道中がはじまった。出だしの日本橋で、男に追われる女を、義をみてせざるは--と、男をポコンとやって女を逃がしてやったが、女が賊で男が岡っ引きとわかって弥次喜多は大弱り、二人とも、とんで逃げたある宿屋、そこでは若い夫婦の室に迷いこんで、どろ棒と間違えられて、再び逃げる弥次と喜多、腹がへってたまらない。とある旅回りの役者の仲間に入れてもらって飯にありつこうとしたが、仲々仲間にしてくれぬその旅回りの座長義平治の養女花扇は、二枚目役者の梅昇と深い仲。しかし義父の義平治は冷たい強欲ヂヂイ。花扇を金主もとのバクチ打ちの親分に売ろうとして、花扇は恋と義理の板ばさみ、思いあまって舞台で義平治を本ものの出刄で切ろうと、とんだきられのお富を演じるとき、とびこんだ姉のおもん、どうせ行状もちで、日本橋で弥次喜多に救われた女賊、罪を着るのは同じと、妹をすくって、義平治を殺し、自分が罪を着ておなわを受ける。そのどさくさに弥次喜多は、楽屋へ入りこんでネコのくるみを着て町へ出る。ぶつかったのは家老平川大学、大学は殿の姫を自分の宅馬と一緒にしてお城をのっとろうとたくらむ悪もの、うたう神様を城へつれこみ、神の御宣せんだといわせ、宅馬と姫を一緒にしようとし、もし一緒にしないと化ネコのたたりがあるとおどかしていた矢先ちょうど幸いネコぐるみの弥次喜多は、城へつれてこられて御ち走され、いよいよ化ネコの芝居をはじめる。さてうたう神様おとらは昔弥次の女房だったおとらで、今では食うためのアルバイトでうたの神様となっている。おとらの御宣せんで、現れた弥次喜多、弥次は女房おとらとわかって大あわて、化けの皮があらわれて、家老大学は殿の命令で、お白州へ、どさくさまぎれにお姫様は、恋人植木屋佐七と、身分は違えど、恋に変りはないとばかりにかけおちし、殿も内心よろこんだ。

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