大江戸七変化
劇場公開日:1949年7月11日
解説
「地下街の弾痕」「虹男」の企画者辻久一の担当で、脚本は「地下街の弾痕」の柳川真一が執筆、監督は「花くらべ狸御殿」の木村恵吾、キャメラは同じく「花くらべ狸御殿」の牧田行正が撮影する。主演には「天狗飛脚」「紅蓮菩薩」「飛騨の暴れん坊」の市川右太衛門「遊侠の群れ」「紅蓮菩薩」の坂東好太郎「飛騨の暴れん坊」の相馬千恵子をはじめ「最後に笑う男」「のど自慢狂時代」の杉狂児「地下街の弾痕」の大友柳太朗、新人佐川悦子らがそれぞれ出演する。
1949年製作/80分/日本
配給:大映
劇場公開日:1949年7月11日
ストーリー
加賀屋半次郎は金山の横領、放火犯人として明日島送りになるという前日に、ろう破りをした。ちょうどそのころ半次郎の姉菊野は旗本の硲主水正に半次郎の無実を訴えたが「拙者に頼むのは筋違い」といって取りあげぬばかりか、菊野を物にしようとにじりよって来た。同じ舟宿喜楽の一室にはろう破りと聞いて青ざめた駿河屋伝蔵と茨木屋佐兵衛の外に、硲の用心棒跡部大九郎と旗本の常見源之進が居合わせていた。しかし離れ座敷の異様な叫びにかけつけた跡部大九郎は一刀のもとに猫をいだいた菊野をきりつけたが手もとが狂った。その時以来菊野は気が狂ってしまった。一方ろう破りをした半次郎は料理屋“梅の井”に飛び込んでそこのお新と知り合った、その上板前の幼な友達の友七の計らいで半次郎はお新にかくまってもらうことになった。しかし半次郎には茨木屋佐兵衛の娘お京という許婚があったが、硲の悪知恵にのせられて佐兵衛は半次郎の金山を横領しようとして無実の罪を娘の婿半次郎に着せた一人である。がお京が半次郎を想う心には変りはなかった。友七やお新が何くれとなく半次郎の罪を明かそうとして努力しているのを時の大岡越前守はおしのびでこの事件を感ずいた。しかし半次郎がお京とともに茨木屋佐兵衛、そして駿河屋伝蔵と連絡をとり今は改心している二人をたよりに罪を明かそうとするが二人とも何者かによって殺されてしまう。こうなると目明しの与助は半次郎の仕わざと思い彼を探すのに十手のナワを一層キツクしめなおす、一方この事件の首謀者硲主水正、常見源之進、跡部大九郎らは菊野の幻影に悩まされつつ大岡越前守の目をぬぐい去ろうとしていた。しかし大岡越前の月番は今日で終りという時、半次郎そしてお京、今は半次郎への想いをすてたお新、それに友七は半次郎の無実の罪を証明する彼等の連判状奪回にのり出した。跡部大九郎の邪の剣をくぐって遂に連判状を奪う。大岡越前守はすべてを知って、微笑でもってこの事件を解決してくれた。越前は静かに月番交替に立上っていった。