平次八百八町
劇場公開日:1949年8月8日
解説
「恋狼火」につぐ新東宝・新演伎座ユニット作品、製作は伊藤基彦。野村胡堂原作“銭形平次捕物帖”より元松竹京都の演出家冬島泰三と佐伯清が共同で脚色「望みなきに非ず」についで佐伯清が演出する。カメラも「望みなきに非ず」の鈴木博の担当。出演者は「小判鮫・前篇」「小判鮫・後篇」の長谷川一夫「びっくり五人男」花菱アチャコ劇団新作座の柳永二郎、伊志井寛「異国の丘」の花井蘭子、「小判鮫・前篇」「小判鮫・後篇」の長谷川裕見子らで小夜福子が特出する。
1949年製作/96分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1949年8月8日
ストーリー
江戸八百八町を幻組という盗賊団が荒し回り目明し役人はその捕縛に躍起となっていた。その夜も薬種問屋相模屋を襲った賊を追った銭形平次は雨月庵宗磧という謡曲師の家の近くで見失ってしまった、だが宗磧と知合いになり発句会の招待を受ける、目明し石原の利助は娘のお品を平次の女房にと思っているが、平次には茶屋女のお静という好きな女があり、お品は利助の子分猪之助と良い仲なのを平次は知っていた。平次には続いて女難が起った、というのは平次の命をねらうお楽の出現である。盗人を働いて平次に捕らえられた男の妹で平次を仇とねらっていたのだが、結局平次の世話でお静と同じ茶屋で働く事になった。さて宗磧の家の発句会の日が来た。平次は宗磧の下男三造に何か怪しい影のあるのを見逃さなかった。平次は発句会の席上で読まれた俳句にヒントを得て幻組の出現を梅屋の寮だと予測し、他の目明し連中も出動したが、幻組の現れたのは他の場所で評判男平次も腐ってしまい、おまけにお静とはけんかして別れてしまった。そして平次は幻組と関係ありとにらんでいるお楽から手がかりを得ようとしたが、お楽は何者かに手裏剣で殺されて死人に口なしとなる。平次は江戸中の手裏剣使いを調べた結果三造が真犯人であることをつきとめ幻組の首領として捕えたが、仲間の名前を発表する前に三造も何者かに鉄砲で殺されてしまった、前後の事情から宗磧こそ真犯人と判断した平次は三造が一命をとりとめて神田の玄庵先生のところに居ると偽って宗磧を玄庵宅に誘い込み、真犯人として逮捕した。もち論平次とお静、猪之助とお品は結ばれた。