男を裁く女

劇場公開日:

解説

「かくて忍術映画は終わりぬ」のマキノ満男の製作で終戦後始めて筆をとった荒牧芳郎が小川記正の原作を脚色し、監督は「懐しのブルース」の佐々木康が担当、「第二の人生」の山村聡、「愉快な仲間(1947)」以後久方ぶりの折原啓子、「手をつなぐ子等(1948)」の笠智衆をはじめ徳大寺伸、斎藤達雄、杉狂児等が出演する。

1948年製作/74分/日本
配給:東横
劇場公開日:1948年6月22日

ストーリー

街の顔役は市民の敵である。善良な市民達は彼等に苦しめられ、泣かされている。彼等は街の害虫であると憤然たち上がった石上検事はたまたまある事件を取り扱った。村田一家の身内である田上健一が妹綾子を救うため脅迫、恐かつであげられたのである。石上検事はこの兄妹愛を美しいと思いながらも、顔役駆逐のためには許せなかった。彼にも妹和子があった。兄のためになにくれとなく今までつくしてくれた。両親がない兄妹にとって、兄妹愛にすがるほかはないのである。和子もやがて岡島との婚約に幸福を待つ身である。岡島も和子を真に愛している。だが税官吏である岡島は金に窮して遂に村田一家に買収される。一方村田一家の山木は親分との間が割れて岡島に金をせびるが事ならずして村田一家の者に殺されてしまう。この事件を重要視した石上検事は妹和子の将来を思いつつも裁きの庭に立つのである。しかし村田一家はあくまでも事件をもみ消そうと弁護士を巧みに使い、石上検事をやりこめる。これを傍聴していた妹の和子は証人として立った。彼女は兄のあくまでも法に忠実であることを祈りながら村田一味を一掃することを願い、岡島の反省を叫びつつ再び会える日を約して証人台をおりた。

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