緑の故郷
劇場公開日:1946年2月28日
解説
「後に續くを信ず」に次ぐ渡辺邦男演出作品。
1946年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1946年2月28日
ストーリー
復員兵岩井正一は、戦友北原誠の最後を伝えるべく彼の実家を訪れる途次、これも復員となり故郷へ帰る女教員栗山マキと道連れとなる。正一は北原の家へ来たものの息子の戦死をまだ知らない弘造夫婦の前に、さすがに真実を語り得ずついに嘘を言ってしまう。だが弘造は正一の話しぶりにそれとなく息子の戦死を感知する。弘造夫婦の望みにより当分滞在することになった正一は、こわれた農具の修理などして日を送るうち、栗山マキに事実を隠していることは卑怯だとなじられ、折から来合わした弘造は真実を知り、正一の心づかいを感謝する。そして弘造は息子が無事帰って来たらマキと結婚せさるつもりだったとしみじみ語るのだった。マキの兄は二年も前から北支で捕虜の身で村人のマキ一家に対する態度は冷ややかであった。村の「土地問題村民大会」で、たまたま捕虜となっている兄への侮辱を含んだ話題に対し、正一は敢然起って日本軍隊の玉碎精神、あまりにも苛酷な教育に対し痛烈に論難する。正一は傷ついた戦友北原誠を敵の手に渡させまいとして、自らの手で戦友を殺したことを弘造に告白すべく決意するが、マキは何も知らずただ立派に戦死したと思っている弘造夫婦に今更そんなことを話すのは惨酷だと反対、戦友の身替わりになって弘造夫婦の傍にいつまでもいて上げてくれと頼む。正一も生まれ変わって農村のために全力を尽くすことを誓うのだった。
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