特ダネ三十時間 拾った牝豹 午前零時の顔
劇場公開日:1959年10月13日
解説
「高度7000米 恐怖の四時間」の舟橋和郎の脚本を、「警視庁物語 一〇八号車」の若林栄二郎が監督した社会部記者もの。星島一郎が撮影した。
1959年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1959年10月13日
ストーリー
(拾った牝豹)新聞記者清水浩平は、休日、電報で社へ呼ばれた。保安課主任の佐野警部補が麻薬団の張込みで姿をくらましているという。張込み先をつきとめるため、記者仲間にまだ顔を知られていない浩平が選ばれたのだ。浩平は偽電話で佐野を誘いだし尾行した。張込み先はホテル“セントラル”。佐野の動静をもう一人見張っている男がいた。競争相手である毎朝新聞の大木だった。佐野のめざす相手はヘンリー張で、彼は華僑のボスだ。浩平は表向き芸能社の松井が、張に売春婦レイ子を世話したことを知った。レイ子から電話があった。彼女はホテルで会った時から浩平に好意を持ったのだ。張へのスパイ役を買って出た。が、張は香港へ飛んだ。その直後、張の密輸拠点の確認があげられた。情報の洩れるのを恐れ、警察は手入れ時刻を発表しない。浩平は焦った。大木の姿がない。浩平は売春係の刑事に近づき、松井芸能社がコールガールの秘密会社であるという情報を売り、交換事件として麻薬拠点をさぐり出した。翌日の新聞は、毎朝と日本新聞の二社がトップに麻薬拠点手入の見出しを飾った。浩平はレイ子の家を尋ねた。手入れが行われていた。レイ子の冷い眼は浩平の胸を刺した。浩平はレイ子の弟に金を握らせ姿を消した。 (午前零時の顔)浩平は女給奈々子をアパートまで送って行った。置き忘れた傘に気づき、再び彼女の部屋へ戻った。奈々子は背中に西洋庖丁を刺されて死んでいた。翌朝の新聞は、発見者の浩平を容疑者扱いにしていた。--奈々子の同僚三沙子から、ヌード写真家の草刈、ジャズハンドの折原、××電機の社長松平の三人が奈々子に御執心だったことを聞き出した。さらにガード下の易者江口から、奈々子は何か秘密を握られ金をゆすられており、松平から二十万円借りていたという情報を得た。××電機は日本新聞の広告の得意先だ。取材に圧力をかけてきた。三沙子はまた情報を流した。奈々子は草刈にいかがわしいヌード写真を撮られ恐喝されていたというのだ。草刈が逮捕された。彼の自供は意外だった。彼は殺人の目撃者だったのだ。犯人は三沙子だった。彼女は奈々子から婚約者の間宮を奪い、この殺人を企んだのだ。金も三沙子と間宮が奪っていた。二人は高飛びの途中逮捕された。三沙子に踊らされた浩平は苦い水でも飲まされたような気持だった。大木のいる毎朝はこの事件を正確に報道していた。