七つの弾丸
劇場公開日:1959年10月27日
解説
「私は貝になりたい」の橋本忍が、昭和三十年の大阪北浜銀行ギャング事件に材を取って書いた異色犯罪ドラマ。これを「警視庁物語 遺留品なし」の村山新治が監督、「静かなる兇弾」の仲沢半次郎が撮影した。
1959年製作/89分/日本
原題または英題:The Murderer Must Die
劇場公開日:1959年10月27日
ストーリー
車のハンドルを握ったまま明和銀行新橋支店の入口を凝視する一人の男--彼の名は矢崎哲男。一年前、失業した彼は無性に金が欲しく神戸の交番を襲い警官から拳銃を奪って浜松OS劇場、名古屋新和銀行を襲撃、大金強奪に成功した。その金で彼は女医三千代と豪奢なアパート生活を楽しんでいた。それから一年、金を使い果した彼は明和銀行新橋支店襲撃を計画した。そして今日、まずタクシー運転手を射殺して車を奪い銀行に乗りつけたところである。しかし銀行前の派出所には三人の警官が詰めていた。矢崎は犯行を中止した。江藤隆は、この派出所に勤務する若い巡査、東北の貧農の次男坊である彼は、出世を夢みて勉強していた。一方、矢崎の狙う銀行の出納窓口には安野亮一という真面目一方の青年が勤務していた。彼は一カ月前、一人の弟を神風タクシーのために失い、それ以来沈みがちな母さとを安心させるため恋人の君子との結婚を考え始めた。が、結婚式に見栄を張ろうとする母と意見が合わず、いつも気まずい空気が家に流れていた。--この日、矢崎は明和銀行新橋支店の前に再び現れた。派出所には江藤が勤務している。矢崎は銀行に入った。手には拳銃一一一七一八号が。ただならぬ気配に銀行へ入った江藤が矢崎に躍りかかった。その胸に矢崎の兇弾。逆上した矢崎は一千万円入りの輸送用バッグにしがみつく出納係安野を射殺、バッグを奪って表へ出るやタクシーをつかまえ乗り込んだ。矢崎の拳銃を背に突きつけられてハンドルを操る不運の運転手は竹岡直吉。彼は、郷里に妻子を残しながら女給と同棲、エントツの荒稼ぎでタクシー会社を渡り歩く不良運転手だった。が、事故を起し、その補償金を農業貯金で払ってくれた妻の満江の真情にほだされ、妻子を上京させ、更生を誓って働き始めたばかりだった。パトカーのサイレンが迫ってきた。矢崎は七つ目の弾丸を竹岡に射ち込み通りがかりの車に乗り移って逃げた。--それから一年と十一カ月、矢崎は死刑台の露と消えた。しかし彼の兇弾に倒れた被害者の家族たちは……東京へ行きさえしなければ、この山奥でどこに働き口が、という江藤の父と母の争いが東北の百姓家で今日も繰返されている。銀行員安野の母は気が狂った。そして運転手竹岡の妻満江は、万引を見つかって警察に捕り、事情が分って釈放されたが、彼女は三人の子どもを抱えどこへ行こうというのか。
スタッフ・キャスト
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矢崎哲男三國連太郎
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安野亮一今井俊二
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安野さと村瀬幸子
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江藤隆高原駿雄
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中谷君子能沢佳子
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竹岡直吉伊藤雄之助
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竹岡満江菅井きん
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杉井陽子星美智子
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原三千代久保菜穂子
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竹岡の長男直治桜井基男
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竹岡の長女良子久淑子
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竹岡の次男正治田井要
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平井勇造織田政雄
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大西松村達雄
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預金受付の係員高原秀麿
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支店長代理岩城力
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出納係の女伊藤慶子
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守衛河合絃司
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田辺加藤嘉
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安野の親戚小塚十紀雄
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松村巡査石島房太郎
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西堀派出巡査A岩上瑛
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西堀派出巡査B滝沢昭
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坂口北峰有二
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神戸の交番巡査A打越正八
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神戸の交番巡査B久保一
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神田で竹岡を訊問する警官萩原満
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警視庁指令室係員岡野耕作
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アパートに来る警官牧野狂介
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仁科清村耕次
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江藤の父左卜全
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おでん屋の親爺曽根秀介
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運転手杉義一
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友人の下宿のおかみさん桧有子
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自転車をとられた青年岡部正純
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森口(矢崎の友人)片山滉
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横山(矢崎の友人)成瀬昌彦
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江東タクシー配車係花沢徳衛
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江東タクシー運転手滝島孝二
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山城館のおかみさん不忍郷子
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松本増田順司
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川西潮健児
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夕刊関東の課長神田隆
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スカイラインの運転手萩原正勝
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タクシー運転手相馬剛三
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教育課長斎藤紫香
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養老院の保母三戸部スエ
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君子の新郎草刈竜平
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ナレーター永井智雄