女の教室

劇場公開日:

解説

吉屋信子の原作を「警視庁物語 顔のない女」の長谷川公之と渡辺邦男が共同脚色し、「蛇姫様(1959)」の渡辺邦男が監督した女性メロドラマ。撮影も同じく「蛇姫様(1959)」の渡辺孝。

1959年製作/88分/日本
劇場公開日:1959年4月8日

ストーリー

T女子医大のインターン生、蝋山操と轟有為子は、首席を争うライヴァルだった。美貌で経済的にも恵まれている有為子はグループの間で人気者の秀才型だが、操は母娘二人暮しの貧しい家庭で育ち、アルバイトをしながら、勉強のためには何事も犠牲にする強い意志の持主だった。この二人に加えて、仁村藤穂、伊吹万千子、羽生与志、細谷和子、そして台湾からの留学生陳鳳英の七人は、入学当時からの仲よしグループだった。ある日、田舎の病院で掃除婦をつとめる操の母が上京してきた。アルバイト先の診療所に急患ができて出かけた操に代って、有為子は彼女の母を親切に案内してやった。やがて国家試験の準備に忙しい時期がやってきた。折から両親の押しつける結婚をきらって、藤穂は有為子の家に逃れてき、万千子は胸を病む芸術家宇津木恵之助を愛するようになり、和子はエンジニアの弓削士郎と結婚した。こんな仲間の動きのなかにあって、細菌学研究室に残ることになった操と有為子の二人は、ともに研究室の若い助手吉岡を愛するようになっていた。国家試験も無事パスした二人は、栄誉ある学長賞と恋愛をかけて、互に競いあうようになったのである。だが吉岡の愛は有為子のうえにあることが解り、学長賞も彼女の手におちた。失意の操にそんな時もたらされたのは、田舎の母が脳溢血で倒れた報せだった。研究室生活を投げうって、操は一人帰郷した。しかし、病床にある母をみると、操は「学長賞は私が貰ったわ」と言ってしまった。わざわざ見舞にきてくれた六人の仲間の前で、母は娘の学長賞受賞をよろこんで死んだ。総てを知った有為子は賞金を黙って臨終の母に手わたしてやるのだった。六人の仲間が東京にかえる朝、皆の激励をうけながら、操はフォームの上で涙にぬれていた。

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