未婚
劇場公開日:1959年3月11日
解説
銀座を舞台にハイ・ティーンの生態を描こうという喜劇。井上友一郎の原作を、山内久が脚色、「僕は三人前」の瑞穂春海が監督した。撮影は「カックン超特急」の杉本正二郎。
1959年製作/80分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1959年3月11日
ストーリー
はち切れそうな若い体をトップモードで飾った園部多穂子がさっそうと春の銀座を歩いている。--とその後からこれまた粋なスタイルの若者、植村貞也が多穂子をつけるように歩いている。あまり豊かでもない家なのに、派手にお金をつかったり銀座で遊び歩く多穂子は家族にとって心配の種。そこで多穂子の兄信一郎にマージャンで負けた貞也が多穂子の素行調査をおしつけられてしまったと云う次第。さてついてゆくと多穂子は喫茶店へ--。そこにはピンクのコートを着た大学生仙吉とかマスターの九一など彼女の取巻連がタムロしていて育ちのよい貞也をびっくりさせる。彼らは蟹工船に乗っていると云う多穂子の恋人が帰るまで彼女のチェリー(バージン)を外部の誘惑から守るべく会費月三〇〇〇円のチェリー会を結成し、つまり彼等は多穂子のスポンサーだったと言うわけ、しかも尾行の発覚した貞也も入会させられてしまった。或る日の集りで、多穂子は私立結婚媒介業の仙吉の母スエのすすめでした中年男とのひやかし見合いについて仲間から詰問され、苦しまぎれに蟹工船の恋人が飛行機で来週帰ると出まかせを云ってしまう。さてその日もともといない恋人なんて帰ってくるはずはない。しかし貞也を加えたチェリー会面々の手前多穂子はすまして知らない男に寄り添ってはみたがチャッカリ屋の多穂子にしても苦しい結末であった。貞也はしかし率直でお茶目な多穂子に魅力を感じやがて求婚するが先日の羽田の一件で口論の末喧嘩別れ、多穂子も貞也に魅力を感じていた矢先のこととてくさってしまう。ちょうどスエから舞い込んだ見合いの話を相手もきかず承諾したが見合い当日現れたのは貞也だった。「ハートのAを引いたらOK!」と多穂子に云われて貞也は憤るが床に散ったトランプは皆赤いハートのAばかりだった。