洞窟の秘密

劇場公開日:

解説

小島謙太郎の「日本埋蔵金物語」より「野獣群」の浅野辰雄が脚色、青戸隆幸が監督、高井四郎が撮影した、探偵映画。

1959年製作/39分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1959年1月27日

ストーリー

大学の史学科助手・山本は瀬戸内海の小島・弓削島に小学校の同級生・村上義徳を訪れ、海賊研究の資料に村上水軍の後裔に当る村上家の蔵書を調べさせてくれと頼んだ。義徳の父・玄徳は快く応じた。山本は義徳の妹・幸子に蔵の中を案内してもらったが、壁にかかった能面の眼孔から無気味な人間の眼が覗く気配を感じた。幸子は山本に恋を抱いた。ところが、船着場前の居酒屋・海猫のマダム玲子は、義徳と級友だったが、村上一族の埋蔵金を探し出そうと謀り、村上家の蔵書を調査している山本に一口乗ってもらうことにした。その昔、海賊が埋めたという五万両の黄金が近くの島に残っており、その地図が村上家の蔵にあるという話が前からあったのだ。山本は一笑に付しながらも村上家の古文書を調べていくうちに宝の隠し場所を知ったが、蔵を空けた間に何者かに持去られた。玲子は山本に義徳を除外し二人で宝を山分けしようと迫った。山本は誘惑に負け、翌朝、二人で隠し場所、美池島の洞窟に入った。が、中に義徳の死体をそこに発見した。山本は翌日、自分が疑われるのを恐れ、玄徳に別れを告げた。その夜、海猫で、漁師の斎藤が慶長小判を買ってくれと玲子に差出した。聞けば、義徳から財宝の地図を手に入れたというので誘われ二人で洞窟に出かけたが、千両箱を見つけるや争いを始めたところ義徳が何者かに矢で射抜かれて死んだという。翌日、山本は黄金を得ようと単身洞窟に入り、壁の中に千両箱の山を発見した。その時闇の中から声が起った。「村上一族として迎え、宝の番人にする筈だったが、金の亡者を村上家に入れるわけにはいかぬ」--声は玄徳であった。山本は玄徳の矢に腹を射抜かれて倒れていった。

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