大笑い江戸っ子祭
劇場公開日:1959年2月3日
解説
芝浜・たらちね・千両富などの落語から、「勢揃い江戸っ子長屋」のコンビ蓮池義雄・淀橋太郎が脚本を書いた喜劇。同じく「勢揃い江戸っ子長屋」の斎藤寅次郎・西前弘がそれぞれ監督・撮影を担当した。
1959年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1959年2月3日
ストーリー
江戸湯島天神のそばの長屋に、屑屋の久六、魚屋の八五郎、呉服屋の次郎吉などが住んでいた。久六は屑の束を整理しているうち、ボロの中からお弓という娘を見つけた。悪者に追われてかくれていたという。江戸の父母を探しに出てきたのだ。--八五郎は大酒のみで、ある朝女房のお春と妹お菊にたたき起されて魚河岸に出かけると、時間が早すぎ、芝浜で顔を洗ったとき、革財布を拾った。そのまま家へ帰って数えると百両あった。近所の衆に大盤ふるまいし、彼は寝こんだ。目覚めたとき、お春は金をあずかった覚えはない、夢を見たんだろうといった。彼は丸めこめられ、酒を絶ち、心をいれかえて働くようになった。--家主源兵衛の一人娘・お露は次郎吉が好きだった。お露は続々と来る縁談をことわりつづけ、あげくは屋根の上で見合結婚反対の坐りこみをした。次郎吉は商いの途中、お弓の父母・お時夫婦に出会った。彼らは上京の途中鼠小僧から金を奪われ、今は奉公勤めをしていた。次郎吉は彼らの娘を思う情にうたれた。お弓を彼らのもとへ連れていった。--久六に縁談が起った。ちょっと言葉が丁寧すぎる女だというが、それでも久六は喜んだのだ。--お弓を父母に会わせた次郎吉は、目明勘七に憎い次郎吉を捕える手引きをすると約束した。そして、お露に置手紙を残すと、自から縛についたのである。--家主が破産し長屋を人手に渡さないために、千両の金が必要になった。お春が例の革財布を出した。お上に届け出たのだが、落し主が出ず、褒美に貰ったという。八五郎にはもう用がなかったが、それを元手にバクチで千両かせごうとし、すっかりスった。帰途、湯島天神で富くじの当り番号が発表されていた。それは久六が買った札だった。やっと、彼の家の襖の破けたところにはりつけてあったのを見つけた。もう、長屋は明け渡さずにすむのである。