恋と花火と消火弾
劇場公開日:1958年11月22日
解説
「軍国酒場」の共同執筆者・池上金男の脚本を、久方ぶりに水野洽が監督、「おーい中村君」の宗川信夫が撮影したコメディ。「都会という港」の金田一敦子、「おーい中村君」の柴田吾郎が主演。
1958年製作/64分/日本
劇場公開日:1958年11月22日
ストーリー
消火器会社の三太がセルロイド工場へ消火弾の売りこみに向う途中、花火工場の運搬係・九助がシトロン化繊の社員運動会へ花火をとどける自転車と衝突してしまった。同じような木箱が変っていたのをどちらも気がつかない。セルロイド工場の空地での消火実地公開で、三太は花火を爆発させ、社員運動会では、九助が花火の筒の中で消火弾を破裂させ、社長一同を真白に染めてしまう。二人はそれぞれ会社をクビになった。三太が下宿に帰ると、下宿のおばさんの甥が隣に住むことになっていた。板壁をへだてて、三太とその甥。実は九助は互いにクビになったことを同情し合い、共鳴し合った。互いに自分がその原因とは気がつかない。声だけだから。二人は出会うたびにケンカだ。が、家では壁をへだてて声だけのつきあいは至極円満だった。--セルロイド工場の社長宇佐は一人娘のひろ子に、シトロン化繊の社長進藤の一人息子・修との縁談を持ちこまれた。ひろ子と修は政略結婚はきらいと断るが公園で出会った二人は互いに好きになるのである。三太が自動車工場に就職し、欠員を壁ごしに九助に教えたので、彼も就職できたが、今まで夜、同情し合っていた相手の顔がわかり、二人は大乱闘し、たちまちクビになった。家に帰ると、九助の部屋に美人が入っていた。実はひろ子で、父のすすめる結婚をけり、修の働きで家出をし、昔のばあやをたよってこの下宿にきたのだ。修も結婚をせまられ、家出してき、三太たちと一緒に住む。三太たちはすっかりアテられた。家出された宇佐と進藤はいがみ合う。が、進藤社長のところで消火弾と花火をとり違えたあの事件から新しい化学染料が発見されたことが判り、二人は子供たちと、新染料発見の恩人・三太たちを探しに町へ出る。恩人たちを見つけたら、息子と娘たちも見つかり、彼らの婚約が発表された三太たちは潮社長に重役として迎えられた。