今は名もない男だが

劇場公開日:

解説

江原真二郎主演のミュージカルで、瀬川昌治の脚本を、「警視庁物語 魔の伝言板」の村山新治が監督、「清水港の名物男 遠州森の石松」の三村明が撮影したもの。「希望の乙女」の江原真二郡、「裸の太陽」の中原ひとみに、今井俊二・岡田英次・故里やよい・新人井本美恵子などが出演する。

1958年製作/89分/日本
原題または英題:Victory of Trumpet
劇場公開日:1958年10月14日

ストーリー

戦争で両親を失った松岡志郎は、トランペットに青春を賭け精進をつづけていたが、職もなく、親友の山西と下宿生活をしながらキャバレーなどのしがないアルバイトをして暮していた。ある日、志郎はアルバイトへ行く途中名音楽家野々村雄介の娘でピアニストを志すひろ子と知り合った。やがて秋が来たころ、山西は懸命の練習が実を結んでドラマーとしてジャズ界にデビューした。彼もひろ子を慕っていたが、志郎の彼女へのひたむきな愛情を知って自分は諦め、志郎を日本一のトランペット奏者豊田のニュースワンに紹介して大阪へ去った。志郎は豊田の妻で一流のジャズシンガー園まゆみの手引で初舞台を踏んだ。が、志郎の素晴しい演奏に嫉妬した豊田によってクビにされたばかりか、あらゆる芸能社から閉出されることになった。傷心の志郎を、ひろ子は何かと力づけたがそんな彼女をよそに志郎は、日夜乱痴気騒ぎをつづけた。そんなところへニュースワン時代のサックスの古川が、新しく編成したバンドに、まゆみを引抜いてくれば専属のペット吹きにすると誘惑してきた。これを承知した志郎は、さらに野望に燃えて古川のバンド、ハイライトを乗取り、ダイナミックな演奏で人気を呼んだ。彼は豊田とトランペットの一騎打の末、打ち負かしたりしてジャズ界に君臨していくが、いつか傍若無人となり、ハイライトのメンバーも背を向け出した。人気取りのために白百合孤児院を訪れた志郎は、そこで音楽教師を勤めるひろ子に出会ったが、彼女の態度も冷たかった。ひろ子は思い上った志郎が悲しかった。遂に山西の求婚にも応じた。間もなく東都劇場でのオールスター祭が開かれた。が、バンドのメンバーは当日、志郎を残して解散した。そのころ、ひろ子は九州の孤児院へ赴任するため東京駅へ向っていた。東部劇場では、志郎が独りでトランペットを吹き客に訴えようとしていたが怒号に遮られ立往生していた。ひろ子はこれを駅の実祝中継で聞いた。志郎への愛が今こそ強いのを感じた彼女は東部劇場へ戻り、やはり親友を思ってかけつけた山西とともに伴奏を手伝った。場内には拍手が鳴り渡り、みつめ合う志郎とひろ子の瞳には感動の涙が溢れた。

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