夜の狼

劇場公開日:

解説

下村明の『夜の顔役』を「夜は俺のものだ」の阿部桂一が脚色、「野郎と黄金」の牛原陽一が監督したもので、ヤクザ同士の醜い闘争を描いたアクション・ドラマ。撮影は「運河」の伊佐山三郎。「悪魔と天使の季節」の葉山良二、「銀座の沙漠」の芦川いづみに、金子信雄・白木マリ・楠侑子などが出演している。

1958年製作/88分/日本
配給:日活
劇場公開日:1958年10月8日

ストーリー

立花組の兄貴分・月田圭介は縄張りの拡大には非情の男だった。今日も圭介は、貸金の期限が切れたことをよいことに、マダム貴子のバー・パレスを乗取るため冷酷ぶりを発揮していた。更に彼は赤貧洗うが如き早瀬一家から三万円の金を取立てるため鬼のような振舞をした。が、受取った三万円が、早瀬の娘勝美が夜の女となって稼いだものと知ったとき、“情無用”の彼も暗然たるものがあった。翌日、勝美の父母は金を苦に自殺した。この事件と、勝美の転落の責任を圭介は自覚しないわけには行かなくなった。彼は勝美と会い、そして魅かれていった。その頃、立花組のボスの室に鳳組の八木が立花組は秘かに拳銃を入手している、と脅迫しに来ていた。ボスが聞きただすと、秘密をバラしたのは、貴子と関係する組の小山であることが分った。小山は圭介の弟分。圭介は小山と貴子を地下室に連れ込み仲間の黒沼とリンチを加え、その上、八木を殺せ、と小山に命じた。翌日、八木が立花組へ金を受取りに来た。小山は命令通り八木を射殺、その小山を立花が射殺して同士射ちを装った。が、この時、黒沼は何を思ったか、突然、立花を射殺した。黒沼は、かつて卍組にいたが立花の傘下に降ったのである。こうして黒沼は卍組を再興し親分に収まった。圭介はヤクザの非情さに耐えられず、心は勝美との真面目な生活を描いていた。が、彼女は肺を冒されていた。一方、黒沼の卍組はやはり鳳組に縄張りを荒され始めた。鳳組は立花の最後に疑問を持出し黒沼を脅しにかかった。黒沼は、圭介が秘密をバラしたと思い彼をキャバレーに連込んだ。凄惨な死闘、圭介は黒沼を倒したが、駈けつけた警官に捕えられた。手錠をはめた圭介に、勝美が、いつまでも待っている、と叫んだ。

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