未練の波止場
劇場公開日:1958年10月15日
解説
松山恵子のヒット・メロディを映画化した歌謡映画。松原佳成の脚本を、昇進第一回の松尾昭典が監督、「悪魔と天使の季節」の高村倉太郎が撮影した。「青い乳房」の二谷英明のほか、南寿美子・宍戸錠・菅井一郎、それに松山恵子が映画初出演している。
1958年製作/49分/日本
配給:日活
劇場公開日:1958年10月15日
ストーリー
街でふと知りあった秋子と建次は、二人で横浜にドライブに出かけた。夕陽の燃える浜辺で秋子は建次に抱きしめられた。彼女はあえぎながらいった。私は夫を探していると。秋子の夫英作は洋酒の闇ブローカーで、今までに何度も秋子を捨て、そのたびに秋子は夫の後を追った。しかし、今度は夫と別れるために、夫を探していたのだった。孤独な女と初めて愛を知った男は、その夜堅く結ばれた。建次は今までの浮草のような生活が嫌になった。しかし、親分の郷田は彼をはなさない。建次は何んとか秋子を幸せにしてやろうと思った。その頃、英作は郷田の情婦道子と駈け落ちの相談をしていた。建次はそれを知って、英作を殴りつけた。郷田の経営で建次がマネージャーをしているキャバレー「サンタフェ」に秋子がやって来た。建次は英作が死んだと偽って彼女に諦めさせようとした。想いをこめて踊る二人。秋子の肩をそっとたたいたのは、かって音楽学校での同級生で、キャバレーの歌手ケイ子だった。郷田は英作と道子の仲を知って、烈火のごとく怒った。ピストルを持って二人を追おうとしたのを建次が押止めて、自分で出かけて行った。それを追う秋子。英作の生きていることを知った秋子は、はじめて建次と生きようと決心した。建次は英作たちを逃してやった。郷田は建次の裏切りをしって、建次の後を追った。メガネ・トンネルで二人の車はぶつかった。建次のピストルの前に郷田は倒れた。建次は秋子に急用で香港に行くと、別れの電話をかけた。秋子は一緒に連れていってくれと頼んだ。そして、建次の手に手錠がかけられた頃、秋子は一人寂しく、港の岩壁を歩いていた。