小天狗霧太郎(一・二部)

劇場公開日:

解説

山下タメオ原作、ラジオ東京の連続放送劇の映画化。「緋ざくら大名」の斎木祝が脚色、「少年猿飛佐助(1958)」の河野寿一が監督、「変幻胡蝶の雨/月の輪族の逆襲」の杉田正二が撮影した。里見浩太郎・伏見扇太郎・南郷京之助・高島淳子の青春スターに、吉田義夫・原健策・松風利栄子のベテランが出演している。

1958年製作/日本
劇場公開日:1958年8月20日

ストーリー

◇第一部--霧ケ峰の主・霧の仙人は、その愛弟子霧太郎の修業が終ったと考えた。霧太郎は預けていた金の鈴を受けとると、恩師に別れを告げ、大月城へ向った。行方不明の妹照姫を探しだし、金銀二つの鈴を合わせてまぼろし城の秘宝を手に入れ、大月家の再興をはかるためである。大月城は今は廃墟と化している。霧太郎は往時をしのんだ。--大蛇丸一味が大月家に伝わる金銀の鈴を狙ったのだ。城中に住みこんだ間者横笛のお竜と呼応し、腹心鬼鹿毛と共に城を襲い、火薬庫を爆発させ、妖術を用い城主左近やその子霧太郎に迫った。左近は討たれ、子らを預った金井隼人も鬼鹿毛に殺された。その時、霧太郎は妹と別れ別れになった。照姫をさらった鬼鹿毛を、大蛇丸を親の仇と狙うお幸・百々之姉弟が撃ったが、太蛇丸に追われ、照姫は眼を撃たれ崖下に落ち、お幸は行方が知れなくなったのだ。--霧太郎は父の遺言に従い禅元和尚のもとを訪ね、財宝が平家再興の資金であることを知る。彼の鈴を狙うものに新しく黒衣の美女雪姫のひきいる黒姫党が加った。彼を襲った大蛇丸一味を轟絃三郎という謎の武士がやつっける。京で盲目の軽業師となっている照姫を雪姫一味が襲った。彼女は少年チョン吉の助けで逃れ百々之助に再会する。が、再びお竜の妖術で照姫らはさらわれ、百百之助は霧太郎と出会って協力することになる。霧太郎は大蛇丸のもとへ乗りこむ。絃三郎の助力で照姫を救いだしたが、再び雪姫一味にさらわれてしまう。小料理屋で働いていたお幸は来合せた大蛇丸、鬼鹿毛らの手から銀の鈴を奪い逃げだす。通りかかりのお春の花篭に鈴を入れたのち、彼女は黒姫党に捕った。霧太郎は黒姫党の根城をめざした。途中、大蛇丸の手下・鷲津に毒を盛られ、金の鈴を奪われる。鷲津は海賊黒汐灘右衛門のもとへ走る。霧太郎は彼が黒潮に殺されたとき駈けつけ、「クロ……」と言い残したのを聞いた。霧太郎は黒姫党が鈴を奪ったと思い、彼らの根城竜仙閣へ向ったが猛烈な一斎射撃をうけ谷底へ落ちた。チョン吉も銃弾をあび、河へ落ちる。城では、照姫、お幸、百々之助の身に危険が迫っていた……。◇第二部--霧太郎は霧の術で弾丸を避け、息もたえだえなチョン吉を救い出した。彼は単身、竜仙閣へ乗りこんだ。雪姫は彼から金の鈴を強奪する。が、それはニセものなのだ。その間に、絃三郎が照姫らを救い出した。ニセものとは知らぬ雪姫は銀の鈴を持っているという大蛇丸と共に、秘宝を求めて九州唐津の沖めざして出発した。本物の金の鈴は黒汐の手元に、また本物の銀の鈴はお春が篭から拾い出し愛猫の首にさげていた。照姫とお幸はお春のもとをたずねた。チョン吉と三平は偶然、猫の首から鈴を得、照姫らに会うが、黒汐の手下熊八が鈴を奪い、照姫らをさらって行ってしまう。熊八は二つの鈴を得ようと黒汐を殺した。そのとき、霧太郎が現われ、彼から鈴を隠した場所の絵図面を得た。彼は改心したという熊八・亀三の案内で照姫らを連れて船を出した。金の鈴のある大机島めざして。嵐の夜、熊八らが霧太郎を襲う。ひそんでいた絃三郎が救ってくれた。雪姫が海を漂っているのを救い、しさいをきくと、彼女は足利義昭の妹で、家の再興のため善悪の区別なく働いたのだという。大机島の白鷺の巣に金の鈴はあった。熊八は死んだが、残った亀三らが島に上陸し、鈴を持ったチョン吉を追いつめるが、霧太郎が救う。亀三は霧太郎らの船をさらって行った。太蛇丸が船でやってきた。霧太郎は一同の命にはかえられぬと、彼に鈴を渡し、船に皆を乗せた。その時、絃三郎が船の火薬に火をつけた。船は爆発し、波間に姿を消して行った……。

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