おけさ姉妹
劇場公開日:1958年7月22日
解説
佐渡を背景に描く浪曲映画で、森田新の脚本を「デン助の陽気な靴みがき」の伊賀山正光が監督した。撮影は「恋愛自由型」の西川庄衛。「デン助の陽気な靴みがき」の佐久間良子・松島トモ子、「三代目 魚河岸の石松」の今井俊二、ベテラン進藤英太郎、それに月丘千秋・明石潮などが出演している。
1958年製作/59分/日本
原題または英題:Sisters
劇場公開日:1958年7月22日
ストーリー
--佐渡の漁村。燈台事務所に勤めるすみ子は、漁師の父・常吉と妹みつ子の三人暮しである。彼女には新聞記者の恋人・古田がいる。彼を父に紹介するため連れてくると、路上で父が暴れている。酒好きでバクチ好きの父。すみ子は逃げだしたくなった。が父の相手は士地のヤクザ村井組だった。翌日の古田の新聞には、村井組の日頃のさまざまな悪事がスッパ抜かれてあった。吉田や常吉に対する村井組の圧迫がひどくなった。常吉の女房ユキ子は死んだとされていたが、実はそうでなかった。常吉は彼女と結婚する前の前科をユキ子の父に叱責され、入院中のユキ子を残して子供たちをつれて家出したのだ。そのことを常吉はPTAの席上、みつ子の担任鈴木先生に告白し、噂は広まった。子供たちがそれをはやし、小さなみつ子の胸は痛む。すみ子も古田との結婚を半ばあきらめた。常吉は見かねて古田の家へ談判に行くが、古田の母にキッパリ縁談を断られた。常吉は再び酒におぼれた。が、ある日、母の墓標に合掌するみつ子の姿を垣間見、彼は夢からさめたようだった。常吉は子供たちのために、祖父の家へ出かけた。彼の立ち直った姿に、ユキ子は喜び、祖父の心も次第にとけた。祭がすんだら、すみ子は祖父の家から嫁入りすることにきまった。吉報をたずさえて佐渡へ帰った常吉を、村井組が待ち構えていた。彼らは暴力で古田を追い出そうとしていた。常吉は自分の体をはってそれを止めようとした。多勢を相手に闘ったが、彼は相手のドスに刺された。祭り囃子の遠く響くとき、常吉は子供らに見守られて死んだ。村井組は検挙された。--みつ子とユキ子は常吉の骨を抱いて祖父の家へ向った。岸壁では、古田とすみ子がいつまでも見送っていた。