白蛇小町
劇場公開日:1958年6月15日
解説
土屋欣三の脚本を、「陽気な仲間」の弘津三男が監督、同じく「陽気な仲間」の本多省三が撮影した怪談映画。「天竜しぶき笠」の梅若正二、中村玉緒、「白いジープのパトロール」の毛利郁子が主演。その他、千葉敏郎、小町瑠美子など。
1958年製作/67分/日本
劇場公開日:1958年6月15日
ストーリー
安藤家では、主の左門をはじめ、花婿新之助、左門の愛妻おすがが、花嫁の到着を今や遅しと待っていた。だが、ようやく到着した駕篭の中には花嫁の姿は見当らず、中から一匹の白蛇がヌラリと這出した。それを見た左門は、自分の過去の因縁話をしてきかせた。--左門がまだ年若い頃屋敷にお已年という召使いがいた。やがてお已年とねんごろになった彼に、さる大身の姫との縁談が起った。乗気になった両親は、左門の留守中にお已年と仲間の勘助を不義者に仕立て暇を出してしまった。発狂したお已年は花嫁衣裳に着飾って、わが家に火を放ち、顔半面に大火傷をうけてその生涯を終えた。祝言の夜、花嫁姿の妖しい影が現われ、「お已年の呪いは、安藤家の血統が続くかぎり、消えることはないだろう」といって、左門を土蔵に招いた。首をくくってぶら下る花嫁の影が動いたと思うと、白蛇が落下、どこともなく消えた--。この頃、両国の見世物街に蛇使いのお紺の小屋が掛っていた。そこの座長矢島大助は、おすがの弟にあたる男だった。今は安藤家を勘当になっている次男源次郎は、一行が妖しい花嫁に会ったという常念寺に出向いた。そこにはお已年の墓があり、森の中に花嫁の死体が横たわっていた。木戸番の勘助がもと安藤家の仲間と同一人であることから、疑念を抱いた源次郎が勘助を詰問しようとした時、勘助は小柄を受けて倒れた。源次郎は過去の因縁話を利用した悪輩連の仕業に違いないと確信を持った。陰謀をさとられたと知った大助たちは、源次郎に眠り薬を与えて抹殺を図った。頭から袋をかぶせられ、つづらの中に押しこめられた源次郎ではあったが--。大助は安藤家の養子に入りこみ、お紺の妹分お菊を迎える準備を進めた。婚礼の夜、常念寺の傍を通る行列に、妖しい女の声がかかった。大助たちは常念寺に乗りこみ、お已年の墓をあばいた。彼等がそこに見出したのは、花嫁姿に化けたお紺だった。お紺の裏切りを知った大助は、お紺に斬りつけた。そこへおすがの腕をとって姿を現わした源次郎が、とっさにおすがを突きやった。かくて、おすがは大助の刄にかかり、大助らは源次郎の前に倒れた。