無鉄砲一代

劇場公開日:

解説

中山正男の原作による、北海道の自然を背景としたラヴ・ストーリー。脚色は水上伸男、監督は久方振りに志村敏夫、撮影は植松永吉。主演は「結婚のすべて」の三橋達也に「夜の波紋」の杉田弘子。これをたすけて菅井一郎、上田吉二郎、若水ヤエ子、小杉義男など。

1958年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1958年7月27日

ストーリー

“疾風の仙”と異名をとった馬喰の仙太郎は、学令期を迎えた一子正太のために、長年の放浪生活に終止符をうとうと思った。友人の馬車屋、辰吉夫婦の住む佐呂間集落へ向った。途中の渡し場で、暴漢に襲われていた女、お新を救った。佐呂間のめし屋「あさひ軒」でめしを食い、さて勘定となったとき、彼は自分が無一物であることに気づいた。先刻お新に財布ぐるみくれてやったのだ。い合わせたお新が金を返そうとすると、つっかえされた。“一旦やったのを、男が……”彼はそんな男である。店の主人、ハッカの金六が喰い逃げとあざけったので、彼は暴れだしたが、辰吉が駈けつけ、収った。--仙太郎は乗合馬車の馭者となり、お新は「あさひ軒」に勤めることになった。お新は彼の粗野だが素朴な天衣無縫なところに惹かれた。正太の入学式の日、仙太郎は先生が子供のために欲しがったオルガンを買う約束を子供たちの前でしてしまった。仙太郎は草競馬に出て、その賞金をオルガンの費用にあてようとするが、肝心の馬が金六に取られていた。奴のインチキ賭博に負けたかたなのだった。お新は見かねて彼女にホの字の金六を甘言でつりひそかに彼の馬を取り房してやった。競馬で、仙太郎は金六側の妨害もものかはみごとに一等になった。オルガンが着くのを集落総出で歓迎した。お新はひとり嬉し涙にくれた。海千山千のお新が。正太が池に落ちたとき、彼女は親身に看病した。仙太郎はそういうお新に強く惹かれたが、つい手荒なことを言ってしまう。お新は自分の心が通じないのだと思った。正太は彼女を母と慕った。学校の作文にもそう書いた。お新は泣いて喜ぶ。仙太も心を強くゆすぶられ、彼女にやっと正太の母になってくれと頼んだ。彼が仕事に出たあと、分教場を兇悪な三人の脱獄囚が襲った。学童を三人人質にとり、その中に正太がいた。彼を救おうとしたお新も捕ってしまう。辰吉の知らせで、仙太郎は集落へ馬車を飛ばした。彼は銃弾をくぐり抜けて分教場へ殺到し、激斗の末、彼らを村人と駈けつけた巡査の手に渡した。--今日も、子供たちのうたごえがオルガンの音と共に響いた。お新は格闘に傷を受けた仙太郎をいたわりながら、しみじみそれを聞いた。

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