「最期の場所が。。!」無法松の一生(1958) リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
最期の場所が。。!
せっかくのリバイバル上映なので見てみました。
松さん、そりゃ切ない気持ちになるよ〜と松さんの気持ちになり辛くなりました。
多分10年くらい、後家の奥さんとその息子に対し、
再婚しないのに男の子の学芸会に奥さんと出席
再婚しないのに庭手入れや鯉のぼりの棒を立てるなど折りに触れ生活をサポートする
再婚しないのに家で一緒に豆まきをする
。。。などなど、公認の恋人や再婚相手がするようなことをさせたままで放置して、いつまでもいつまでも松さんの好意に甘え過ぎじゃない??と後家の奥さんの気持ちがよく分からなくなりました。
何か困ったことがあったらすぐ頼む、すぐ相談するのに将来の夫に願い出るわけでもない。
かといって執事や使用人として正式に雇うわけでもない。勿論食事を出すとか謝礼金とかは
幾つも包んでいたようですが。。
子どもの学校行事に出席するのは一般的に家族しかいません。普通は父母、忙しいとか片親なら祖父母が普通です。親戚のおじさんですら、甥っ子の授業参観、学芸会には普通は行かないと思います。友人達から「おい、親父から声かけられたぞ~」って囃し立てられるのも無理ないです。
夫の死後、家のことが落ち着くまで2〜3か月程度何か助けてもらうくらいなら分かりますが、
小学1年くらいの息子が高校生くらいまでずーーーっと10年くらいは息子の成長も見守り銭湯にも行く喧嘩にも助けに馳せ参じてくれた人に
「これからは息子のこと、ぼんぼんじゃなく○○さんと呼んでください」って。。。
松さんの立ち位置、それじゃ使用人だよ!下男だよ!!何でそんな仕打ちするの?それならもっとずっと早い段階で頼るの止めときなよ奥さん!!!
。。。と、松さんにかなり同情しました。。。
小学校を卒業出来なかった松さんが、いつも小学校に足を運び、最期の時には小学校の敷地で倒れて亡くなるというのがなんとも。。なんとも切ない無法松の一生でした。
彼には大人になってからでも勉強と、そして元の旦那さんの死後せめて4〜5年後くらいには正式に奥さんと結婚してほしかったです。婿であの家はそのままでも彼は受け入れたと思います。
息子の学校行事をはじめ、小学校からずーーーーっと息子の成長を本当に見守っていた彼の父親は松さんだったと思います。
リバイバルのおかげでこういう作品が昔あったことを知ることが出来たことは、良かったです。