手錠
劇場公開日:1958年2月12日
解説
NHKの連続ドラマ、香住春吾作「四つの窓」より映画化したもの。脚色は星川清司、監督は新人阿部毅、撮影は「新婚七つの楽しみ」の小林節雄がそれぞれ担当した。主演は「日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里」の高松英郎、石井竜一、新人市田ひろみ、それに東野英治郎。ほかに佐野浅夫、藤山浩一、竹里光子など。
1958年製作/56分/日本
劇場公開日:1958年2月12日
ストーリー
ある田舎町から東京警視庁まで、強盗犯及川を護送する役目が安井と中込の二人に命じられた。安井はこの仕事を最後に停年退職する老刑事、逆に中込はこれが初仕事の新米刑事だ。及川は仲間と共謀し、駅の便所で安井刑事と手首を手錠で繋ぎ合ったまま、脱走に成功した。盗んだ車に、殴られて気絶した中込刑事も乗せ、一味は及川の情婦美千絵のバー・チェリーへ向う。安井刑事は、その途中、手錠の鍵を破れたシートの間に隠そうとした。が、錠は中込の足許へ転る。意識を回復した中込はそれを秘かに外へ投げ捨てた。一味の隠れ家で、二人は残酷なりンチを受ける。錠を出せ。殺し屋の金田が安井刑事の手首を切り離そうとまでした。しかし、錠を道で拾った少年憲一が、ひょんなことで、美千絵に捕り、二階へ引っぱりあげられてきた。--警視庁では予定時間に到着せぬ両刑事の捜査を始めていた。憲一は錠を及川たちに気づかれぬように、中込に渡した。階下では美千絵が麻薬密売の取引をしている。及川は麻薬患者で、彼が深い眠りに落ちているすきに、安井は手錠をはずし、及川の手から拳銃を取り戻した。中込も自由になり、一味を倒すが、及川は憲一を楯に、美千絵を連れて車で逃げた。安井たちも車で追った。及川の車は踏切りの急カーブでエンジン・ストップし、汽車にはね飛ばされた。憲一だけが危く難を逃れた。安井たちは燃え上る車を前にただ呆然と立ちつくした。