オンボロ人生
劇場公開日:1958年1月29日
解説
サンデー毎日連載中の加藤芳郎の漫画をもとに、「新しい背広」の沢村勉と、「嵐の中の抱擁 おもかげは遥かなり」の富田義朗が脚本を書き、「抱かれた花嫁」の番匠義彰が監督、「逃げだした縁談」の西川亨が撮影したコメディ。主演は「黒い花粉」の佐田啓二、杉田弘子、「七人の女掏摸」の泉京子、それに久方ぶりの宮城まり子。ほかに片山明彦、小坂一也、益田キートンなどが助演。色彩はイーストマン松竹カラー。
1958年製作/109分/日本
原題または英題:Hobo Village
劇場公開日:1958年1月29日
ストーリー
バタヤ集落にとぐろをまく一群、「絵描き」と呼ばれる乞食、文化住宅を夢見るシャンソンと恋人の靴みがきコッペ、好色なバタヤのモン吉とその女房花子、子供の愛ちゃん、威勢のいいハチ公、消息通のバタ屋ニュースヤ、舶来乞食ジャム、元華族のロケット発明狂「御前」、肉体美をほこる心臓グラマー。彼等は一団で崩れかかった倉の中に引っこしたが、そこには知恵のまわりかねる小娘マリ子とその養父が住んでいた。近くの大衆食堂ホルモン軒には、医者のシケタ先生、流しの六さんも集る。女難の六さんはグラマーに追いまわされるが、モン吉の拾った宝クジから三十万円が当った。一同高級レストラン行、姿を消したモン吉はグラマーを囲ったという噂。折も折、コッペがマリ子こそ金田という富豪の娘であることをかぎつけた。シャンソンはコッペと謀って花子を金田にわたすが、彼女を八つの時から育てた父親は気がぬけたようになる。ところが、ニュースヤがコッペとシャンソンのたくらみをバラしてしまう。一同金田邸へデモ行進、相擁して泣く父娘の姿に、金田も折れてマリ子を彼等の一団に返した。その結果シャンソンとコッペは追放され、平和がよみがえったかに見えたが、地主が愚連隊を手先として一同の立退きを要求する。一難去って又一難……と思った時、金田が現われてこの土地を買いとってくれた。だが、マリ子は童話の上手なシャンソンの不在が淋しい。シャンソンはコッペと土管住いをしているのだが、そこに出世した六さんの歌声が、ラジオに乗って流れて来るのだった。一同が再び会う日もほど近い。