十代の罠

劇場公開日:

解説

山崎巌の脚本を「肉体の悪夢」のコンビ、野口博志と永塚一栄がそれぞれ監督、撮影したセミ・ドキュメンタリー風社会劇。主演は、「雌花」の大坂志郎、「江戸の小鼠たち」の長門裕之、「峠(1957)」の渡辺美佐子、「童貞先生行状記」の香月美奈子、「肉体の悪夢」の月玲子。他に、高品格、植村謙二郎、天草四郎などが助演。

1957年製作/87分/日本
原題または英題:Teen Age Trap
配給:日活
劇場公開日:1957年12月15日

ストーリー

初冬の早朝、ある工場都市の私立潮高の男生徒と港町女高の女生徒が心中した。その男生徒の受持教師多木は責任を感じ、悩んだ。新任早々の彼の受持、三年A組には札つきの不良グループがいたが、そのグループの中に土地の有力者、PTAの役員の子弟がいるので、学校当局は放任していた。多木は参考人として警察に呼ばれた時、港町女高の教師加島礼子と、女生徒幸江と知りあった。二人は、心中した女生徒が事件の前日何かにおびえていたと告げた。また、心中した男生徒は不良グループの一人土佐をひどく恨んでいたという。多木は盛り場の遊戯場“セントルイス”に行き、不良グループが、土佐の兄栄次と共に港町女高の不良女生徒たちとふざけ合うのを見た。彼はグループの房江に非をさとしたが、彼女は耳をかさなかった。が、翌日彼女は多木を待ち受け、心中した女生徒は栄次に凌辱されたのだと告げた。多木は彼女から栄次がポン引をしているという連込みホテル“パリ”の場所をきき、数日後客を装って泊った。が、彼の前に現れた接客婦は房江だった--。翌朝、学校の黒板に一枚の写真が貼り出された。多木が房江を詰問している時、栄次が盗み撮りしたのだ。それはいかがわしい写真のように見えた。生徒達は多木を非難した。学校の緊急会議で、多木は事実を報告し、不良グループをあやつる謎の人物佐藤のことを話した。間もなく房江が溺死体となって発見された。自殺か? だが唯一人の証人を消したのかも知れぬ。多木はPTA会長若林にそのことを話し、佐藤の正体をつきとめようと提案した。若林はオトリの女学生を使う案を示し、その役を幸江が買って出た。窃盗の容疑で土佐と宮原が警察にあげられ、二人は放校処分にあった。多木はそれに反対し、校長と対立して辞職した。栄次に近づいた幸江の報せに多木は“パリ”に急行したが、手下にはばまれ逃げられた。が、栄次が虫の息になって現れ、若林にリンチされたと告げた。佐藤とは若林だったのだ。女学生を暴力で売春させ、男女三人の生徒を殺した若林は警察の手で逮捕された。--改心した不良グループと他の生徒達に囲まれ、多木は明るく微笑んだ。生徒達の尽力で、彼の復職も約束されていた。

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