金語楼の成金王

劇場公開日:

解説

新東宝が先に製作した、「金語楼の兵隊さん」を初めに「金語楼の天晴れ運転手物語」など、四作品からなる金語楼シリーズの第五篇。今回は「高校四年」の共同脚色者の一人、川内康範の小説『成金王』(別冊小説の泉所載)を銀座八郎が脚色、「妖蛇荘の魔王」の曲谷守平が監督した。撮影は「天下の鬼夜叉姫」の友成達雄。主演は、「サザエさんの青春」の柳家金語楼、「ひばりの三役 競艶雪之丞変化 (前後篇)」の花岡菊子、「鏡山誉の女仇討」の筑紫あけみ、「おトラさん」の川田孝子。ほかに丘寵児、並木一路など。

1958年製作/62分/日本
劇場公開日:1958年1月3日

ストーリー

織物問屋板割屋の婿養子浅之助は、連日、形相ものすごい女房にいじめ抜かれ遂に勘忍袋の緒が切れた。彼は敢然と家出したが、財布の中は僅か六十円。仕方なく無賃乗車したものの、忽ち車掌に見つかり詰問されたが、たまたまそこに居合わせた美人の口ぞえで窮地を脱し、やっとのことで上野に着いた。上京したものの途方にくれているところを、ニコヨン集落「蟹の街」の往人留吉に助けられ厄介になることになった。だがこの一見平和な「蟹の街」にも権力の圧迫が加わっていた。この街の大家である都会議員の野木が、未亡人きよに執心の余り、家賃を強引に取り立てたり、子供たちの遊び場を立入禁止にしたりしていやがらせを続けていたのだ。屑屋稼業も板についた浅之助は、或る日きよに会いびっくりした。きよこそ、浅之助が上京の折、車中で切符を買ってくれた恩人だった。この街を建てた時野木から借りた五十万円の返済を迫られ、出来なければ長屋の立退きというピンチにあることをきよから聞いて、浅之助は憤然としたがさりとてそんな大金はどうにもならない。そこへ浅之助が以前買っておいた株券の値が上り、売主から百五十万円で買い戻したいという知らせ。浅之助は五十万円を野木にたたきつけ、長屋を確保し、更に「蟹の街廃品回収株式会社」の看板を出し、事業家として出発することになった。が、成金になった浅之助にも無事平穏な日ばかりはない。留吉の戦友と称する山師のサギに引っかかり、枯山の鉱山を買い財産をすってしまった。またボロをまとい街を流す身分となったが、この鉱山にウラニウムが発見され、再び彼は自他共に許す成金王となったのである。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く