不知火頭巾

劇場公開日:

解説

小説倶楽部所載の陣出達朗の原作を「怪猫夜泣き沼」の民門敏雄が脚色、「森の石松(1957)」のコンビ田坂勝彦が監督し武田千吉郎が撮影した時代活劇。主演は、「森の石松(1957)」の勝新太郎、阿井美千子、「稲妻街道」の浦路洋子、「赤胴鈴之助 新月塔の妖鬼」の三田登喜子、それに舟木洋一。

1957年製作/92分/日本
劇場公開日:1957年11月17日

ストーリー

榎稲荷の大榎の洞穴へ救いを求める手紙を投げこめば、町人を助けに必ず不知火頭巾が現れた。その稲荷の裏で医者源八郎は貧しい子供たちの治療に努めていた。伝兵衛の娘お園と金蔵の娘、芸者小金は彼の仕事を手伝っていた。少年亀太郎は小金の弟として育てられたが、実は大名堀田家の息子だ。先代の側室お由良の方はわが子栄次郎を世継にしようと、家老大庭と計り当主鶴之助を毒殺した。さらに亀太郎を誘拐し監禁した。正室お藤の方は腰元楓に亀太郎を探させた。大庭一味に襲われた楓を源八郎が救い治療に尽した。一味は金蔵を殺し、お墨付きを奪い去った。亀太郎を探す堀田家の近習采女が一味に囲まれた時、不知火頭巾が助けに現れた。源八郎はお由良の方から毒薬の調合を頼まれたが、それを飲んだ亀太郎はむろん別条なかった。亀太郎が鬼塚に斬られようとした時、不知火が現れ助け去った。小金は一味にさらわれ、少年の行方を問い責められた。お墨付きも奪い返された一味は、榎稲荷の洞穴に目をつけ、それをたどって行くと、源八郎の部屋に抜け出た。そこにいた亀太郎を連れ去る彼らを、源八郎はそのまま見送った。が、彼らの帰途を不知火が待ち受けていた。不知火は少年を救い出すと、お園のもとへとどけた。しかし、一味は再び少年をさらっていった。牢の小金を不知火が助けにきた。が、捕えられ、覆面を剥れた。それは采女だった。ほんものの不知火が彼を助けだしたが、一味に見つかり乱闘となった。不知火が飛びこんだ部屋に、少年栄次郎が病に苦しんでいた。不知火は覆面をとり、医者源八郎となって手当を尽くした。亀太郎と小金は救われ、大庭、鬼塚、虎之助ら悪人は滅びた。御老中が到着し、源八郎は将軍家の従弟であると告げた。源八郎は亀太郎を世継にせよとお由良に厳命し、事件は落着した。

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