笑え勘平より 消えた短剣
劇場公開日:1957年10月22日
解説
東京タイムズ他地方九紙に連載された今日出海の『笑え勘平』を原作に「富士に立つ影」の小川正が脚色、「鯨と斗う男」の津田不二夫が監督した明朗篇。撮影は「青い海原」の西川庄衛。主演は「爆音と大地」の波島進、「逢いたいなァあの人に」の今井俊二「鯨と斗う男」の小宮光江、それに神楽坂浮子、月村圭子。
1957年製作/54分/日本
原題または英題:A Disappeared Dagger
劇場公開日:1957年10月22日
ストーリー
深夜、桐原雨声の邸に覆面をした一人の怪漢が侵入、宝石と金を奪って去った。翌朝、雨声は容疑者として挙げられた勘平を首実検したが、彼が犯人だとは思えなかった。庭に落ちていた短剣を届けにやって来た娘の香枝子はかえって勘平に好感を抱いた。証拠不十分で帰宅を許された勘平は、婆やから父の太平が外国から短剣を買って来、それを弟の正彦にやったことがあるとの話を聞き、飛び出していた家の敷居を久し振りにくぐった。しかし正彦は不在だった。ようやく探りあてたダンス喫茶を訪れ、短剣の行方を正彦にただしたが今は不良仲間に入っている正彦は口を割らなかった。熱海で倒れた太平を見舞った勘平は香枝子と一緒に東京行の二等車に乗った。その時、前の二等車から車掌が「強盗だッ!」と駈けこんで来た。とっさに横のデッキから飛び降りる正彦の姿を見た勘平は直ちに後を追った。首領ロペスが金を持ち逃げしたので、正彦を共謀と思いこんだ乾分たちは、正彦に百万円を請求したのだ。正彦がこれを断っているところへ勘平が駈けこみ、一味と大乱闘となった。勘平が拳銃をつきつけられあわやと思われた瞬間、刑事が駈けつけて乾分達は脱兎のごとく逃げ出した。「兄さん」と呼ぶ正彦の眼には、涙が光っていた。