続・若君漫遊記 金比羅利生剣

劇場公開日:

解説

伍堂徹二の原作を関沢新一が脚色、「怪談本所七不思議」の加戸野五郎が監督、撮影は「怪談累が淵(1957)」の平野好美が担当した。主演は「怪談本所七不思議」の明智十三郎、「修羅八荒(1957)」の宇治みさ子、「憲兵とバラバラ死美人」の鮎川浩、天知茂。ほかに北沢典子、中村彰、御本本伸介など。

1957年製作/72分/日本
劇場公開日:1957年9月8日

ストーリー

堺の旅篭泉屋は金比羅詣りの客でにぎわっている。江戸の娘お俊とお供の三ン下ちょろ熊の部屋へ、相宿を頼み込んだ浪人が尾張大納言の若君松平長七郎とは、誰も気づかない。隣室で奉納箱を後生大事に飲んでいるのは熊野屋茂兵衛一味で、そのまた隣は、鳴門屋伝右衛門と名乗る一癖ありげな人物だ。その夜、黒装束の貝塚源四郎が忍び込み、茂兵衛の奉納箱を狙うが、家人に騒がれて逃げ失せた。そのどさくさまぎれに、茂兵衛がお俊の奉納箱にかくしたのは巻物らしい。翌日、金比羅詣りの客をのせた多度津丸は、四国へ向う海上で九紋竜の海賊に襲撃をうけ、茂兵衛の奉納箱を奪われた。お俊は海賊相手に奮戦する長七郎の勇姿に心を惹かれた。話かわって四国は丸亀の城下、矢場の女由利は貝塚源四郎と恋仲で、共に丸亀城乗取りをたくらむ鳴門屋の一味だ。お俊は色仕掛けで、お城の若殿慎之助を篭絡しようとかかっている。その矢場へ現れた長七郎は、鳴門屋がわが家同様に振舞うのをみて怪しいと睨んだ。しかも、長七郎が多度津丸の上で、海賊の白頭巾から剥ぎとった片袖の匂いと、由利がつけている香料は同じ禁制の渡来品なのだ。鳴門屋はじめ、九紋竜、黒装束、白頭巾の海賊たちは長曽我部の残党で、亡君の恨みを晴らすため、海陸呼応して江戸城に焼き打ちをかけ、徳川幕府を倒そうと狙っているのだった。さきに奪った巻物がにせものと知った鳴門屋は、茂兵衛を捕えて拷問にかけ、巻物はお俊の奉納箱にあると白状させた。その巻物には、長曽我部公が四国の山中に埋めた莫大な軍用金の在りかが記してあるのだ。お俊は九紋竜につかまったが、巻物は長七郎が抜いたあとだった。由利をつける長七郎に源四郎が刃を向けた。源四郎を斬り伏せようとする長七郎に、由利は「殺さないで」と泣き縋った。洞窟の牢からお俊を救い出した長七郎に、鳴門屋の短筒が……。熊の注進で城内から藩士の一隊が駈けつけ、乱闘となった。長七郎の働きで幽閉されていた慎之助は救い出され、海賊一味は全滅した。かくて、お俊と熊は尾張大納言の若君の姿に戻った長七郎を、名残り惜しげに見送るのであった。

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