南蛮寺の佝僂男

劇場公開日:

解説

「一夜の百万長者」の伏見晁の脚本を「大江戸人気男」の斎藤寅次郎が監督、「赤胴鈴之助(1957)」の今井ひろしが撮影した復讐喜劇。主演は「勢揃い桃色御殿」の花菱アチャコ、「赤胴鈴之助(1957)」の中村玉緒、「二十九人の喧嘩状」の林成年、春風すみれ。さらに小町瑠美子、堺駿二、田端義夫、鈴木三重子など。

1957年製作/78分/日本
劇場公開日:1957年7月13日

ストーリー

板倉藩士阿茶木源三郎は殿様のおぼえも目出たく、同輩に先んじて組頭に取立てられることになった。これをねたんだ同輩の風呂間伝兵衛は、阿茶木の酒乱癖を利用して無理強いに酒を彼に飲ませ上役に無礼を働かせて組頭の役を取消させてしまった。これを知った阿茶木の妻千栄は、医者駿斎に頼んで酒嫌いになる薬を調合、彼に飲ませたところ薬が強過ぎたため、阿茶木はケイレンを起しみるみる中に頭髪は逆立ち、背は曲がり異様な姿に変り果ててしまった。その夜、彼は妻と娘を残して家出した。--それから十五年。苦心の末起死回生の薬を発見した駿斎は、阿茶木を尋ね全国を探し廻った揚句にやっと南蛮寺で寺男をしている彼を見つけた。ところが、薬の量が足りないため、一たんは元の姿に還ったがまた再び異様な姿になる阿茶木に、駿斎は更に多量の薬を手に入れて戻って来るべく長崎に向った。ある日近所の子供たちに誘われて芝居小屋に行った彼は、一座の中にはからずも自分を探す妻千栄と娘さゆりの姿を見つけた。ところがその場には、いまは筆頭与力に出世した風呂間も来ていた。彼はさゆりにかねてから言寄っているのだった。その毒手からさゆりを救い出した阿茶木は、風呂間の輩下たちに惨々な目に遭わされながらも、南蛮寺に逃げ込んだ。しかし風呂間を先頭に追手は南蛮寺を取巻いた。阿茶木はさゆりを抱え、鉄砲や弓矢をくぐり綱を渡って外へ逃れた。そこへ駿斎が帰ってきたので、彼は風呂間たちの眼前で薬を飲み昔の姿に還った。驚いている風呂間一味は駈けつけた所司代以下の捕手に召捕られた。阿茶木に千栄とさゆりがひしと抱きついた--。

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