ますらを派出夫会 粉骨砕身す
劇場公開日:1957年5月15日
解説
秋好馨の漫画「ますらを派出夫会」の映画化。「極楽島物語」の共同脚色者の一人、新井一が脚本を書き「目白三平物語 うちの女房」の小田基義が監督、「チンドンやの娘」の西前弘が撮影した。主演は「続サザエさん」の柳家金語楼、三木のり平、「ロマンス誕生」の有島一郎、「へそくり親爺」の横山エンタツ。ほかに清川虹子、夏亜矢子、環三千世など。
1957年製作/50分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年5月15日
ストーリー
芦屋に豪壮な邸宅をもつ社長富山甚介は南極探険ならぬ女人探険に仲々の発展。染奴という芸者の名刺がポケットから出てきたり、女中に手をつけたり。艶子夫人は今度は、ますらを派出夫を頼むことにした。早速あらわれた派出夫は碧眼のウィリアム・マスラー。派出夫といえば、むくつけき男と思っていた夫人と娘の洋子は意外な美青年ぶりに忽ちポーッとなる。洋子はマスラーのシャツを洗濯をしてやったり全く主客転倒。帰宅した甚介は、夫人が三味線を引き、美男の外国人が小唄を唄っているのを見て唖然。やがて憤然と派出夫会に電話、色男でない派出夫と取換えろと申入れた。色男でない男、亀山派出夫が富山家に来た。洋子は「あんたの顔を見ると食欲がなくなる」と亀山に云うが、甚介は家内安全の神と喜ぶ。しかし亀山はひょんなはずみで染奴と同行中の甚介に艶子を会わせたため逆鱗にふれてクビとなる。亀山の次の就職先は嵐山医院兼薬局。亭主の割太郎が医者、薬屋が妻のカン子で家計は全部ワリカンという合理主義の家。医院と薬局の二軒分働く亀山も忙しさの余りノイローゼ気味となる。そんなある日、一大事件が起った。カン子の留守中、亀山が胃の薬だと思って子供に売った薬が劇薬だったというのだ。「これで信用がゼロになった」と喚く割太郎とカン子。放送車で「胃の薬を嵐山薬局でお求めの方は……」と町を練り歩く騒ぎとなった。が、劇薬と思ったのは、やはり胃の薬だったことをカン子が発見し事件は収まった。しかし、人騒がせを起した亀山派出夫は哀れクビとなった。