風雲急なり大阪城 真田十勇士総進軍
劇場公開日:1957年2月27日
解説
「怪異宇都宮釣天井」のコンビ仲津勝義と武部弘道が共同で脚本を書き「人形佐七捕物帖 妖艶六死美人」の中川信夫が監督した娯楽時代劇。撮影は「金語楼のお巡りさん」の西垣六郎。主な出演者は「関八州大利根の対決」の天城竜太郎、舟橋元、「妖雲里見快挙伝・前後篇」の小笠原竜三郎、「女だけの街」の田崎潤、「人形佐七捕物帖 妖艶六死美人」の日比野恵子、ほかに藤木の実、湊幹、丹波哲郎、杉山弘太郎など。
1957年製作/70分/日本
劇場公開日:1957年2月27日
ストーリー
慶長五年八月、関ヶ原の合戦は豊家に利あらず天下の大勢は徳川に傾いた。九度山に閉居する真田幸村は、大阪城の木村長門守の要請により豊家再興の決心を固め、部下の十勇士は各班に分れ諸大名の動静を探ることになった。十勇士の一人、猿飛佐助は長門守の使者菊乃の伴をし、清海入道を連れて大阪城に向うが、途中酒癖の悪い清海は、徳川の間者で幸村の侍女をしているお近に操られ佐助の行動を洩らす。お近は仲間の孫兵衛と大阪城へ。一方、長門守に会った佐助は、徳川の館から豊家再興の鍵となる秀吉の遺言書を奪うよう頼まれる。その長門守も登城して遺言書の返還を遅らせる大野治長を責めるが、逆に淀君にたしなめられ無念の涙を呑む。その頃、菊乃は黒装束に捕り蔵屋敷に連込まれた。ところが、この蔵屋敷には、家康の命令で大阪城を粉砕する火薬が隠してあった。菊乃を捕えたのは実は大阪方の重臣平野主水正。彼は美しい菊乃に挑みかかるが、それを猫に化けた霧隠才蔵が救う。が、事破れたりと知った平野によって蔵屋敷に火がつけられ、才蔵らは大爆発の中を危く逃れた。しかし、この爆破事件によって長門守は重臣たちを火急召集、徳川と通ずる平野の陰謀を暴き、これを斬った。一方、徳川の館では家康が、秀吉の遺言書を取出し臣下を前に事もなげに焼棄てた。余りに無欲な、と重臣が驚く中に、家康は偽遺言書を出して見せ、せせら笑う。ところで徳川の間者お近は、敵ながら佐助を慕う身。家康の手文庫から、当の遺言書を盗むが、孫兵衛に見つかり実康の前で斬られようとする。が、その瞬間、天地鳴動、遺言書は天井に舞上る。折しも現れた佐助の忍術である。佐助は続いて家康を追うが、どんどん返しの壁にあって家康を逃す。無念の一語を後に佐助は姿を消すが、やがて幸村を先頭に大阪城へ急ぐ真田十勇士の中に、再び家康を討たんとする佐助の姿があった。