危険な関係(1957)
劇場公開日:1957年2月27日
解説
内村直也と岡田達門の共同原案になる社会諷刺劇。脚本は岡田達門と井上梅次の共同、「お転婆三人姉妹 踊る太陽」に続き井上梅次が監督を担当する。撮影は同じく岩佐一泉。主な出演者は「月蝕」の月丘夢路、「若の花物語 土俵の鬼」の北原三枝、「唄祭り喧嘩旅」の長門裕之、「最後の突撃」の大坂志郎、他に小園蓉子、柳沢真一、金子信雄など。国鉄の金田、巨人の川上両選手が特別出演している。
1957年製作/95分/日本
配給:日活
劇場公開日:1957年2月27日
ストーリー
日本一を誇る川奈のグリーン・ホテルに、お互に何らかの関係を持ちながらそれを知らない九人の男女が泊り合せた。その一人、バレリーナの善通寺京子は、母親麻子が勝手に決めた許婚に反抗するドライ娘山代三枝に共鳴、大いに気勢をあげる中、かつての情夫、ドンファンの根上昆が同宿しているのを知って驚く。根上は目下、人妻白妙敬子を漁色中。そこへ訪れたのは、これも京子の情夫の一人だったW過剰のシャンソン歌手月野満。三枝の許婚原田早苗は京子の“最後の”夫。故に三枝をキズモノにして邪魔してやろうと考えていたのだ。だが根上は敬子に夢中、そこで誘惑の役目は月野へ廻る。ところが、ここに又もや到着した京子の現在の愛人島正一は、三枝と対面するや互いに愛情の芽生えを感じてしまう。月野のボンクラさに業を煮やした京子は急拠、役どころを島に変えたが、この時、すでに釣り上げた敬子に愛想つかした根上も三枝を狙っていた。島の結婚申込みも時すでに遅く、根上は三枝を我がものとした上、京子にも毒牙を伸す。堪り兼ねた島が思わず傍の猟銃を握ると、アラ不思議、引金に指もふれないのに暴発して弾丸は根上に命中。島と京子は殺人の罪で警察へ連行される--ところがこれはある奇蹟の一日のお話。連行された筈の島や京子がボーイや客でホテルにいたり、支配人の妻は三枝そっくり、ホテルのサブ・マネージャーは死んだ根上に瓜二つとあっては、事件の解決など詰らぬお話。要するにこれは皆さんの廻りにうようよある、危険な関係の一断面なのでありました。