女と男の名誉のレビュー・感想・評価
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期待度◎鑑賞後の満足度○ ジャック・ニコルソンの“へっ?”
①ずっと観たかった映画でやっと観れた。で、ずっと思い込んでいた話とかなり違っていたのに少々驚いたが(勝手に思い込んでいた私が悪いのだが)、先の読めない展開でこれはこれで面白かった。
②如何にもジョン・ヒューストンの映画に相応しい題材。
冒頭から“映画だ”と思わせてくれるが、さすがに往年の演出の冴えはなくなって来ているようだ。
ただ、往年の得意分野だった「ハードボイルド映画」「フィルムノワール」のセルフパロディっぽいところは、やはりジョン・ヒューストン監督ならではのひねくれぶりか。
シリアス・シニカル・ユーモアが絶妙に融合している味わいは、長いキャリアを誇る百戦錬磨の職人監督ならでは出来ない芸当で、ポッと出の監督には無理だろう。
③腹に一物ある連中の虚々実々の駆け引き(というかキツネとタヌキの化かし合い)の話はいつでも面白い。
④ジャック・ニコルソンは、役には少し歳が行きすぎているように思うし、イタリア系にはとても見えないが、シリアスさとユーモラスさとが絶妙な塩梅で混ざりあっている演技はさすがに上手い。
⑤アンジェリカ・ヒューストンはアカデミー助演女優賞を獲るほどの演技ではないと思うが(それ以前に比べてぐんと上手くなっているのか確か)存在感は凄い。
その存在感と急に良い女優になったことが嬉しくてハリウッド映画人はアカデミー賞を送ったんでしょうね。
複雑すぎるのはどうも。
『女と男の名誉』(1985)
ジャック・ニコルソンとキャスリーン・ターナー共演で、男女の殺し屋同士が愛し合い結婚するが、組織との絡みから殺しあわねばならなくなる悲劇的映画だと思うが、ブラックコメディに分類されたりしているようだ。ただ、最後の殺し合いの一瞬の駆け引きは、速いはずの弾丸が外れ、後からの投げたナイフが勝つというのは、弾丸側の心理になにかあったのだろうかとも推測しているコメントもあった。そして憂うつを背負う勝った側は元婚約者に電話し、元婚約者は結婚相手は遠くへ行って戻ってこないと知ると、顔を緩ますのだった。こういうところがブラックというようなところだろうか。愛し合っているのに殺しあわねばならなくなってしまう状況というのは困難であるが、いくら大きな組織だとしても海外逃亡など二人はできなかっただろうか。どこまでも追われてしまい無理だったのだろうか。最初は片方が所属組織から大金を盗んだりしたのちの結婚相手を許したり、その相手も、片方に主人を殺されたのにもかかわらず愛し合ってしまうなど、悲劇的終わりにならなければ、冒頭の別の男女の結婚式のシーンのキリスト教的雰囲気のような面との整合性がとれなかったのかも知れない。悲しいはずが展開がはやくて乾いた感じだったが、元婚約者に電話する前に
生き残ったほうはシャワーを浴びているシーンがある。乾いた感じの反面だったのだろうか。だが、
こうした複雑な構成の作品は良しとはしない。再び特に意識して観る映画でもないと思おう。
なんだろう、不思議な映画。 設定は面白いと思うのになんだか楽しめな...
なんだろう、不思議な映画。
設定は面白いと思うのになんだか楽しめない。
コメディになるんですか、これ?ブラックコメディ?なんだか笑えない。
ラストもえー、そうなる?なんだか納得できない。
なんだかなーの映画でした。
やってることは喜劇なのにマフィア映画
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
恋愛も殺しも陰謀もとんとん拍子で進んでいく物語は喜劇風なのだが、やっていることはニューヨークのマフィアそのものな怖いことばかり。それを殺しの場面のような刺激の強い直接的な描写を出来るだけ避けて、話をあっさりと進行させていく。
そんなふうに怖い描写が少ないのにもかかわらず、ジャック・ニコルソンの演技がなかなかの迫力を見せることがある。また組織のために掟を守らせ時に厳しい決断をするマフィアの歳をとった首領を演じたウィリアム・ヒッキーが、人柄は違うものの「ゴッド・ファーザー」のマーロン・ブランドを思い起こさせて気に入った。正体の怪しい妻役のキャサリーン・ターナーと、狡くて捻くれた元恋人のアイジェリカ・ヒューストンも見せどころがあって良かった。
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