高校生と殺人犯
劇場公開日:1956年12月12日
解説
女の死体を背負わされた探偵小説狂の高校生がまき起すスリルと爆笑。“明星”連載の山田風太郎の原作から「娘の修学旅行」の池上金男が脚色、「スタジオは大騒ぎ」の水野洽が監督、「娘の修学旅行」の谷沢一儀が撮影を担当。主な出演者は「日本橋」の品川隆二、「リンゴ村から」の南左斗子、「あこがれの練習船」の小泉順子、入江洋佑、市川和子、「不知火奉行」の立花宮子、他に杉田康、志賀暁子など。
1956年製作/39分/日本
配給:大映
劇場公開日:1956年12月12日
ストーリー
大八、小太郎、早助の三人は霧ケ城高校の生徒。大の探偵小説ファンで、女生徒の京子、半子、小笹の三人を加え“殺人クラブ”を作っている。六人が町のソバ屋で謀議をめぐらしていると、調理場から妖艶な女が現れた。カルメンという、この女は大八の叔母がバーをやっているのを知って紹介してくれと云う。女に甘い大八は得意になって承知したが、実はカルメンが人を探しにこの町へ来たのを知る。ところが、大八は元気がなくなった。カルメンがソバ屋の出前持金公と親しくし大八に目もくれないからだ。ある夜、大八、小太郎、早助の三人は脱獄と称し寮を抜け出した。通りへ出たとたん帽子を目深にかぶった大男が三人の前に現れた。ギョッとして三人は逃げ出し、大八は一人ソバ屋の裏の倉庫に隠れた。と間もなく入口の戸があいて女の体が倒れて来た。それはカルメンの死体だった。驚いて飛び出た大八はそこで金公に会った。金公は警察に行こうという大八を引止め罪のかからぬよう死体を別の所へ運ぼうと言出した。翌日、町は大騒ぎ。カルメンは東京で情夫を殺した三百万円強盗の犯人だと判った。大八は思い余って学校の北野先生に打明け、警察へ行って事情を話した。“殺人クラブ”の面々も大八を励まし、倉庫へ実地検証に行くことにした。六人は倉庫に入った。中に一人の男がいた。金公である。その手には札束の入ったボストンバッグ。一同に三百万円強盗の片割と覚られた金公は拳銃を突きつけた。が六人は勇敢に立向い、応援の警官隊に金公は捕った。六人は次の日曜日、危険な行動をしたかどで寮に謹慎を命ぜられた。北野先生と美人の永井先生が、釈放してやろうと行ってみると部屋はもぬけの殻。なんと得意の脱獄であった。