デンスケの宣伝狂
劇場公開日:1956年10月17日
解説
毎日新聞連載漫画、横山隆一原作“デンスケ”の映画化。「悪魔の街」の白石五郎と「東京バカ踊り」の柳沢類寿が共同で脚色、「地下から来た男」の吉村廉が監督、「暁の逃亡」の峰重義が撮影を担当する。主な出演者は「地下から来た男」のフランキー堺、丹下キヨ子、「青い怒濤」の東谷暎子、「ニコヨン物語」の中原早苗、その他、木戸新太郎、市村俊幸、浪曲の広沢虎造、原作者横山隆一、それに実弟の横山泰三も出演する。
1956年製作/75分/日本
配給:日活
劇場公開日:1956年10月17日
ストーリー
マナスル広告社は丹頂社長以下、役付は女性ばかりという宣伝業の会社。デンスケはここの臨時雇だがパッとしない。美人製造所の宣伝に駆り出されたデンスケは美男子になれるという殺し文句に上機嫌だったが製造所の失敗で、お乳が女のように膨らみ恋人のショウ子にも逢えず泣きの涙。ある日マナスル広告社に正直太郎なる男が現われた。万国放射能防止協会理事長の肩書をもつこの男実は発作が起ると物に掴まり一週間は離さないという奇病の持主。交番の連絡で社長に忠告に行ったデンスケは男に抱きつかれ一週間を精神病院で過す破目となった。マナスル広告社も名誉挽回と今度は永久に切れない目の玉靴下の大宣伝を始めることになった。丹頂社長はデンスケと山田君に目の玉靴下をはかせ赤く焼けた鉄板の上を歩かせたり、まるでモルモット扱い。山田君が怒って辞めると辛い役目は全部デンスケに回って来る。その頃、目の玉靴下に繊維業者が怒り出し政府に製造中止を要請した。世論も騒ぎ出し目の玉社長がこれに負けたためマナスル広告社は今度は製造中止の宣伝を始めることになる。これを聞いたデンスケは人類幸福のためと、一生に一足で間に合う目の玉靴下に加勢すべくヘリコプターに乗り製造中止反対の広告放送をする。そのためデンスケはクビを言渡された。失業の身でショウ子さんも、もう幸せにできないとデンスケはションボリ帰った。だがそのショウ子さんは逆にデンスケを励まし、デンスケは喜びに「強く生きよう」と誓った。