へそくり社員とワンマン社長 へそくり社員敢闘す
劇場公開日:1956年8月29日
解説
東宝十八番のサラリーマン喜劇。北町一郎の原作から「ロマンス娘」の長谷川公之と「ボロ靴交響楽」の新井一がシナリオを執筆、「極楽大一座 アチャラカ大当り」の小田基義が監督、「恋愛超特急」以来の鈴木斌が撮影を担当した。主な出演者は「恋すれど恋すれど物語」の柳家金語楼、三木のり平、「囚人船」の小泉博、「疾風!鞍馬天狗」の北川町子、「女大学野球狂時代」の舟橋元、「男の魂」の中田康子、「はりきり社長」の平田照彦など。
1956年製作/52分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年8月29日
ストーリー
経理課長吉村欣也の勤める渡辺産業は東京駅近いチャチなビルの中。課員の若月と三千代は恋人同士、同じく小野田と雅子は結婚して共稼ぎだが会社には内証である。吉村が出勤すると、玩具の輸出契約破棄というのに一同ニコニコ。庄左衛門社長の命令で笑顔週間実施中のセイである。ある日、大株主織田が、どこに勤めても三日坊主の息子秀康を会社に預けにくる。彼は吉村の課に配属。ハンサムね、という雅子に、小野田はおだやかでない。ある日、会社へ千光という男が“酒が嫌いになる薬”を売込みに来る。社長の命令で実験台に立った酒好きの吉村は大迷惑。料亭若松で社長に強制され進退極まった吉村。呑んだふりして薬を徳利に落し、発作のしぐさを大熱演。薬の入った酒は芸者が飲んで怪しげな踊りを始める始末。若月は社長の横暴と秀康のイカレポンチぶりに仕事の意欲も喪失、一流会社へ転職を考えだす。小野田は雅子と秀康の接近にヤキモキ。会社のため努力するのは吉村だけ。ある日、若松で全社員の慰労会。酒嫌いの薬はインチキと社長の知らせに、吉村は天下晴れての酒宴に大機嫌。ノビた吉村をアパート迄送り届けた若月と小野田の前に現われたのは、奥様ならぬ十一、二歳のかわいい女の子。妻亡き後健気に家事をする娘のため月給袋の封も切らず帰宅していた吉村に若月や小野田は感動。会社への精勤を誓いつつ、吉村を心配して訪ねて来た社長共々夜の道を戻って行った。