復讐侠艶録
劇場公開日:1956年8月22日
解説
大江戸の白夜に狐面の怪盗五人女が織りなす色模様、剣侠波乱の剣戟娯楽篇。“東京タイムス”連載の邦枝完二原作“怪盗五人女”より「水戸黄門漫遊記 怪猫乱舞」の土屋欣三が脚色、「無法街」の小沢茂弘が監督、「青年安兵衛 紅だすき素浪人」の松井鴻が撮影を担当する。主な出演者は「隠密秘帖 まぼろし城」の大友柳太朗、「若さま侍捕物帳 魔の死美人屋敷」の大川橋蔵、「志津野一平 謎の金塊」の日高澄子、「青年安兵衛 紅だすき素浪人」の田代百合子、「風雲黒潮丸」の三笠博子、「髑髏銭(1956)」の進藤英太郎、「弥次喜多道中」の堺駿二、「逆襲獄門砦」の片岡栄二郎など。
1956年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1956年8月22日
ストーリー
徳川十代家治の世。権力を振う時の老中田沼意次は水戸家失脚を企み、勤皇の先覚者山県大弐を捕縛、水戸家の家臣が連名する入門控帳を奪う。大弐の伜大八は女装して錦と名乗り、女賊で表向は柳橋の口入屋女将お才、子分小兵衛らと田沼を狙う。ある夜、邸に忍びこんだ錦は、兄玄次郎と計り入門控を探す水戸家の廻し者文江に出逢う。錦は上野凌雲院で寺小姓をする中、田沼の眼にとまって奉公するようになる。田沼は意に添おうとしない美童錦に立腹宴会の席で札差山口屋が踊らせた娘おかんの首を刎ねさせ、みせしめにしようとした。間一髪、現われたお才、玄次郎らはおかんを救い連れ去る。文江は遂に入門控を探し当てたが田沼に見咎められてしまう。だがそこに立寄った将軍家嫡子家基の眼にとまり、江戸城に伴われる。田沼に男と見抜かれた錦は邸を去り、大八に戻ってお才の家で玄次郎に会う。二人は互いの目的を知り協力を誓う。一同は文江を救出するが、その留守、おかんは捕方の手に。やがて入門控を楯に、大老職推挙をと田沼の使者が水戸家に来訪。加えて大弐門下の引渡しを強要。だが田沼とオランダ人カランスの密貿易を知る玄次郎は使者を追い帰す。その夜、玄次郎、大八らは文江の確かめた入門控を奪い返す。やがてカランスは出府。その宴に一味の札差山口屋鐘斎はおかんを花嫁に仕立て贈る。しかしカランスの前に立ったのは花嫁姿の大八。仰天する田沼らの前に上意書を持ち玄次郎も駈けつけ、乱闘の末、田沼は大八の刄に倒れる。宿願を果した大八と文江は今は晴れて寄り添うのだった。