続ただひとりの人

劇場公開日:

解説

雑誌“平凡”に連載されラジオ東京連続放送劇にもなった北条誠原作の映画化。一三七号掲載「ただひとりの人」(二部作)の続篇である。「愛情」の池田一朗と、「東京バカ踊り」の吉村廉が共同脚色し、吉村廉が監督した。撮影は「黒帯有情 花と嵐」の峰重義。主な出演者は「黒帯有情・花と嵐」の葉山良二、「雑居家族」の新珠三千代、「太陽の季節」の南田洋子、東谷暎子、「色ざんげ(1956)」の二本柳寛、「ドラムと恋と夢」の桂典子、「快傑耶茶坊 (前後篇)」の名和宏など。

1956年製作/88分/日本
原題または英題:I'm All Alone-Third Part
配給:日活
劇場公開日:1956年5月31日

ストーリー

小田切渚は、小峰達也と宗子の結婚後、東京に居たたまれず、北海道にある朝吹五郎の牧場で失意の日々を過していた。ある日、猪を訪ねてきた達也の妹美津子は、達也に失恋した福田ミドリの自殺と、それを誤解した宗子が達也に冷く当っていることを知らせた。やがて美津子と共に上京した渚は、銀座で達也の親友中谷貞雄に出逢い、彼の口から石森五郎の事故死を知る。渚は上京の車中で松本という年輩の男と知り合ったことから紙幣贋造一味の事件に巻き込まれ、警察に拘留される身となった。だが達也の父雄造が身許引受人となり無事釈放され、孤児になった石森の一人娘ハルミと共に、弁護士倉俊吉の家に身を寄せた。渚が倉の法律事務所に勤めるようになった或る日、倉の妹保子から、兄俊吉が渚を愛していると聞き、渚は一人悩んだ。一方、達也は宗子の親友で大阪から上京して来た人気歌手野々宮冴子と知り合うが、冴子のマネージャー黒川は勝気な宗子の美貌に秘かに眼をつけていた。倉は以前、外遊の折に彼の地で結婚し巴里夫という息子まで生れていたが、その直後故あって離婚し、独身でいる身の上だった。こうした倉と子供二人に付添い遊園地に出掛けた猪は、思いがけず冴子と連れ立った達也に出逢い呆然とした。二人の仲に気づいた冴子は自分の恋をあきらめ歌謡大会に二人を招いて結びつけようとしたが、宗子の幸福を考える猪は達也の手を振り切って去って行った。倉との結婚を決意した渚は、しかし彼女と達也の身を思う倉にさとされ、ハルミを連れ北海道に戻ることになった。達也は絶望の末、乱酔し地廻りと喧嘩して病院に収容された。それを知った中谷は発車寸前の渚に急を知らせた。一時の気迷いから黒川に犯された宗子は、達也を看護する渚の健気な姿を見て彼女に自分の立場をゆずり、父健策と四国へ戻ることにした。病室の中では、繃帯だらけの達也の手に、万感をこめた渚の手がソッと重ねられていた。幾山河を越え、いまここに二人の魂は結ばれたのである。

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