虹いくたびのレビュー・感想・評価
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京マチ子×若尾文子
初見は、2016年1月9日「若尾文子映画祭アンコール」(@角川シネマ新宿)だったが、約8年ぶりに購入DVD鑑賞。 本作、DVDジェケットは綺麗なカラー写真だが、だいぶ古い映画なので、冒頭クレジット文字も読みづらく、画面も暗い感はあったが、観ているうちに慣れた。 主演は京マチ子×若尾文子だが、父親が上原謙。上原謙なので、京マチ子と若尾文子と(京都にいる三女)川上康子の三人の娘の母親は、別の三人の女性…(笑) 他の出演者は、冒頭汽車内で若尾文子と会う船越英二、そして京マチ子が年下の彼氏として付き合っているのが川口浩(新人)! 後年、多数の映画で若尾文子と共演した川口浩が新人ということは、本作は二人の初共演作だろうか?……調べれば分かるだろうが。 途中から若尾文子に惚れた学生として、川崎敬三も出て来る。 映画の内容は、川端康成原作の映画だけあって、なかなかドラマティックな展開であった。 京都から東京へ向かう列車の中から始まる。 列車内で赤ん坊の世話をしている男(船越英二)と正面に座った女性=麻子(若尾文子)は他人どうしだが、赤ん坊のおむつ替えで若干の会話を交わす。 帰宅した麻子は、姉の百子(京マチ子)と話すのだが、父親同じで母親違い。 この時、京マチ子が1階の部屋を出て行き、それを追いかけるように若尾文子が障子を開けると階段を上っていく京マチ子の姿が映り、二階を歩く京マチ子、二階まで追いかけていく若尾文子を映した「流れるようなシーン」が素晴らしい。 そして物語が進むと、京都に更に母親が異なる三女がいるらしいことがわかる。 三女の若子役は、川上康子。 箱根に旅行で行った父(上原謙)と娘=麻子(若尾文子)の父娘混浴シーンが衝撃的。 …フルムーンCMで上原謙は高峰三枝子と混浴だったが、それ以前にも混浴した女優が居て、それが若き日の若尾文子だったとは(笑) 長女=百子(京マチ子)の「お乳の杯(さかずき)」というのも、戦争と絡めてはいるが、これまた衝撃的であった。 原作者の川端康成は、凄い事を考える人だったんだなぁ、と思う。 文学的な香りのする古き日本映画の佳作。 <映倫No.2096>
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