俺は犯人じゃない

劇場公開日:

解説

「黒帯無双」の青木義久と窪田篤人が共同で脚本を書き、「悪の報酬」の野口博志が監督、「裏町のお転婆娘」の間宮義雄が撮影を担当した。主なる出演者は「朝やけ血戦場」の大坂志郎、「人生とんぼ返り(1955)」の広岡三栄子、「青カ島の子供たち 女教師の記録」の左幸子、「丹下左膳(1956)」の植村謙二郎、「力道山物語 怒涛の男」の武藤章生など。

1956年製作/90分/日本
原題または英題:I'm Not the Criminal
配給:日活
劇場公開日:1956年2月12日

ストーリー

西島政吉はドリルの政と異名をとった金庫破りであったが、恋人ゆきの清純さに感化されて真面目になろうとした。模範囚として刑期を終え、出獄した政吉の前に、何故かゆきは現われなかった。ゆきの働いていたキャバレーに行って見ると、そこにもゆきの姿はなく、美也子という女性がいて、「ゆきちゃんは若い男と大阪に逃げちゃった」といった。そのうちに「ゆきのことで会いたいという人が待っているから」という若い男に連れられて一緒にタクシーにのって行くと、東洋銀行の裏手に連れて行かれ、折しも起った銀行ギャング事件にまきこまれた。政吉は逮捕された。彼は真犯人を捕える為警察を脱走し、美也子の下宿に身をかくした。政吉は自分を銀行迄のせた自動車の運転手を探し出し、彼の口から自分を若い男に命じて連れ出させた男の名を知った。だがその男、近藤を訪ねると近藤は血を吐いて死んでいた。政吉は銀行の出納主任の川北を怪しいとにらんだ。スケート場に川北をつけて行くと、川北はスケート場の裏口から何物かの自動車にのせられて連れ去られた。その車のナンバーから車の行方をつきとめると、新宿のリヴィェラという喫茶店で拷問に会っている川北を見つけた。政吉が入って行くと、そこにいた一味に拳銃をつきつけられた。その一味の中に美也子の姿があった。政吉は川北を救い出した。川北は一切を白状した。競輪、競馬にこり、美也子に入れあげ、そのあげく美也子の情夫黒沼にそそのかされて銀行ギャングの片棒をかついだのであった。ついですでに政吉を愛し始めていた美也子が政吉の前に現われると、川北の自白を裏づけることを述べた。盗んだ札のかくし場所に政吉が行って見ると黒沼一味が現われた。黒沼の口から恋人のゆきが一味に殺されたことを知った政吉は激怒した。かくて激しい拳銃戦の末、政吉は一味を倒した。しかし彼もまた警察の手に捕えられた。パトロールカーに乗せられて引き立てられて行く政吉と美也子の心は再生を目ざして結ばれていた。

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