晴姿一番纏
劇場公開日:1956年1月15日
解説
山手樹一郎の原作を「織田信長」の結束信二が脚色し、「薩摩飛脚 完結篇(1955)」の河野寿一が監督、「ふり袖小天狗」の坪井誠が撮影を担当した。主なる出演者は「あばれ振袖」の中村錦之助、「水戸黄門漫遊記 幽霊城の佝僂男」の千原しのぶ、「不良少年の母」の星美智子、「多羅尾伴内 戦慄の七仮面」の薄田研二、「まぼろし怪盗団 (三部作)」の三笠博子など。
1956年製作/65分/日本
劇場公開日:1956年1月15日
ストーリー
ほ組の纏持弥太郎は恋人お京に無体をしかける旗本鷲津甚之助と喧嘩をしたために江戸追放の身となってしまった。江戸を発った弥太郎と入れちがいに、ほ組の頭取で矢太郎の養父である金五郎の家を訪れたのは、矢太郎の実父の武家水島勘左衛門であった。二十年の昔、勘左衛門が当時奥女中であった金五郎の妹につくらせた矢太郎を、金五郎が我が子として育て上げたのだった。甲府勤番となった勘左衛門は江戸を離れるにあたり、一目矢太郎に会いに来たのであった。二年の歳月が流れた。やくざに身を落した弥太郎は乱菊一家と赤鬼一家の争いにまきこまれ、理不尽な赤鬼一家に乗り込むと親分の赤鬼仁兵衛を斬った。矢太郎は旅を続けるうちに、木曽路の吉野宿の旅篭で、ぜげんに連れられたお京に会った。矢太郎が江戸を去ってから、旗本の鷲津に父を殺され、おちぶれたお京は百両の金の為に身を売りに行く途中であった。百両の金を得る為に黒槻の伝蔵の賭場に出た弥太郎は、いかさまを見破り、百両を掴んでお京を救った。さらに伝蔵一家の用心棒になっていた鷲津を斬った。矢太郎とお京は伝蔵一家に追われ、甲府で危機に瀕したが、折しも遠乗りに来ていた勘左衛門に救われた。矢太郎は勘左衛門をかねてきていた実の父と知ったが二人は名乗り合わなかった。お京をつれて江戸に帰った矢太郎は、早速火事にあった。矢太郎はほ組の纏を持って火事場に走った。役人達がそれを知り、奉行所に引き立てようとした。水島勘左衛門の親友、北町奉行の土屋越前守が現れ矢太郎を釈放した。やがて火事場に一番纏としてほ組の纏があがった。