七人の兄いもうと

劇場公開日:

解説

面白倶楽部連載の源氏鶏太作『七人の孫』より「夫婦善哉」の八住利雄が脚色、「五十円横町」のコンビ佐伯幸三が監督、中川芳久が撮影を担当した。主なる出演者は、「珠はくだけず」の根上淳、若尾文子、船越英二、新人、宝塚の長谷川季子、「幼きものは訴える」の村瀬幸子など。

1955年製作/92分/日本
配給:大映
劇場公開日:1955年11月20日

ストーリー

北原亮作はすでに家督を雄吉、里子の長男夫婦にゆずり、七十五回の誕生日を前に、油絵を描きながら悠々自適していた。亮作には六人の孫があり、その一人、雄吉の長男一郎は女中のせつと相思相愛の仲だ。里子は身分ちがいを楯に反対するが、亮作は蔭日向なく働くせつが大のお気に入りで一郎には過ぎた相手だとさえ思っている。近所の大国屋菓子店のサーヴィス部主任夏井圭一は明朗な青年で、ふとしたことから彼を知った亮作と孫の正子は、それぞれに好感を抱くようになった。ところで、亮作には若き日の悲しいロマンスがあった。秋田の旧家の一人娘と恋に陥り、子供までできた仲を無慙にも引き裂かれたのだ。そして、その女の孫がどこかにいると風のたよりを聞けば、心がうずくのも当然であろう。大国屋の二階で開かれた誕生祝いの席上、亮作は一郎とせつの件を持ち出すが、誰も異存はなかった。家で首尾を案じているせつのところへ親友の美穂子が訪ねて来て、アパートの隣室にいる圭一の世話で、大国屋の喫茶部で働くことになったと知らせた。やがて吉日を選んで一郎とせつは結婚式をあげたが、女中から一足飛びに新妻の座に坐ったせつには辛いことばかり多く、一郎にまで飛び出されたせつは、美穂子のアパートに身を寄せた。一郎の煮えきらない態度と一家の愛情の薄さに憤慨した亮作もアパートへ転がり込むが、そこで美穂子こそ探していた孫だと判った。やがて北原家に再び平和が訪れた日、亮作は美穂子を新しい孫として一同に紹介した。息子や嫁たちは微笑し、孫たちは歓呼の声をあげて新しい従姉を迎えた。幸福そうに顔を見合す一郎とせつ、そしてうれしそうな圭一と美穂子を眺める亮作の目には涙が光っていた。

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