右門捕物帖 恐怖の十三夜
劇場公開日:1955年10月12日
解説
故佐々木味津三の原作を竹井諒と森川太郎が脚色、「海の小扇太」の志村敏夫が監督、「神州天馬侠(1954)」の岡崎宏三が撮影を担当した。主なる出演者は「むっつり右門捕物帖 鬼面屋敷」の嵐寛寿郎、「旗本退屈男 謎の伏魔殿」の渡辺篤、「夫婦善哉」の上田吉二郎、「海の小扇太」の雅章子、「長崎の夜」の杉山昌三九など。
1955年製作/78分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1955年10月12日
ストーリー
十三夜の月の夜、伝六をお供につれた右門は永代橋の下で泣いている少女しづを見つけ、家に連れ帰った。しづの父真木山左衛門はもと岡山池田家の祐筆であったが仔細あって浪人となり江戸に出て来ているうち、ある夜永代橋から身を投げ行方不明となってしまった。山左衛門の後妻お新は御家人丹羽金四郎を引き入れ、残されたしづを虐待するので耐えかねたしづは父を求めて永代橋の下に泣いていたのであった。あばたの啓四郎は山左衛門の死を自殺だと片づけたが右門は不審をいだき調査を始めた。右門は浅草に出かけ女スリの櫛巻お由を見つけ協力を頼んだ。右門の調査が進行するにつれていろいろの被疑者が出て来たが彼等は次々と何者かによって殺されていった。遂に暗殺の手は右門の身辺に迄及んだ。同時におしづも覆面の一隊にさらわれた。だがお由が一隊の一人からすりとった池田家下屋敷の門鑑から事件は一路解決に向った。池田家のお家騒動にまきこまれた山左衛門は自殺したのではなく池田家の江戸表家老中里勘兵衛のもとに監禁されていた。亡き殿の遺言状を書いたのが当時祐筆であった山左衛門であったところから、その書き変えを強いられていたのである。おしづを責め道具として書き変えを迫る陰謀派の前に右門が現われた。山左衛門父子は救われた。今迄の殺人も皆、陰謀派の一味の仕業であった。乱闘の中に右門は伝六の用意した舟で虎口を脱することが出来た。