アツカマ氏とオヤカマ氏
劇場公開日:1955年7月19日
解説
岡部冬彦の漫画から永来重明が構成、「母の曲」の笠原良三が脚本にまとめ、「サラリーマン 目白三平」の千葉泰樹が監督する。撮影は「たそがれ酒場」の西垣六郎、音楽は「皇太子の花嫁」の古関裕而の担当。出演者の主なる者は「悪魔の囁き」の上原謙、「緋牡丹記」の花井蘭子、「森繁のやりくり社員」の森繁久彌、久保菜穂子、相馬千恵子、「のんき裁判」の小林桂樹などである。
1955年製作/90分/日本
劇場公開日:1955年7月19日
ストーリー
ハヤシスクーター東京支店の大宅販売課長は課員一同からオヤカマ氏と云われている位ガミガミ屋である。ある日、この販売課に本社からセールス志望で転勤になった渥美鎌太郎という怪人物が入って来たが、間もなくアツカマ氏と呼称される様になった。折柄の販売突撃週間に、アツカマ氏の戦術はものすごく、彼の成績だけが上昇し、先輩ウラガナ氏などは予定していた売れ口まで横取りされ、又ハンサム氏は恋人サガ子嬢との間に水をさされてしまう。それにアツカマ氏は、オヤカマ課長の愛嬢ヤヤ子とも只ならぬ接近を示し、父親をヤキモキさせている。しかしアツカマ氏の勇戦に拘らず、支店の成績は香ばしくなく、支店長から成績不良社員のクビ切りを命ぜられ部下思いのオヤカマ氏は進退谷まった。それを知ったアツカマ氏は、自分の成績をひそかにウラガナ氏に繰入れてクビから救おうとした。ウラガナ氏はそれを曲解してアツカマ氏を殴ったが、見かねたサガ子嬢の口から事実が知れ、非を悔いたウラガナ氏は結局自分がセールス稼業に向かないと辞表を出し、近所の小食堂「銀平」に就職し、かねてより相思の仲である「銀平」の娘茂子と楽しく働くことにした。或る日ヤヤ子嬢に贈る買物のことからつまらぬ誤解を招いたアツカマ氏は、初めて恋する者の淋しさを知った。しかしオヤカマ氏の苦境を課員一同に訴え、グングン成績を向上させたため、遂に社長から支店宛の賞状を貰うに至った。オヤカマ氏は御機嫌であり、ヤヤ子嬢の頬にも明るい微笑が浮んだ。