暁の合唱(1955)
劇場公開日:1955年3月18日
解説
石坂洋次郎の原作を「浮かれ狐千本桜」の八住利雄が脚色、「春の渦巻」の枝川弘が監督する。撮影は「恋の野球拳 こういう具合にしやしゃんせ」の板橋重夫。出演者は「七つの顔の銀次」の香川京子、根上淳、「泣き笑い地獄極楽」の伏見和子、「幸福を配達する娘」の高松英郎のほか小沢栄など。
1955年製作/90分/日本
劇場公開日:1955年3月18日
ストーリー
朋子は女子大の入試にも合格したけれども、貧しい家のことを考え、東北の都市で住み込みとしてバス会社に入った。バスの営業所には、米子という芸者上りの女や、運転手の浮田などがいたが、朋子の出現ですっかり明るさを増した。彼女の仕事始めは、車庫の掃除から、車の油さしで、女だてらに車の下へもぐりこみ、嬉しそうに鼻唄まじりで油をさしていると、めずらしく社長の信吾が訪れた。これが又無類の好人物で、朋子とは直ちに大の仲良しになってしまう。信吾の甥三郎は性来の浮気者である。信吾を囲んで開かれた宴会の晩、朋子は三郎の経営している映画館へ連れて行かれ、そこで彼の乱行を見せつけられたが、朋子は逆に三郎を温く見る気持になった。運転手の浮田の御陰で、朋子は運転免許を得た。その吉報を持って三郎の所へ行った時彼女は急性盲腸炎で倒れ、病院へかつぎこまれた。その退院も間近かなある日、信吾が見舞に来て、三郎の嫁にならぬか、と突然云い出した。退院した朋子は、雨の降りしきる夜、三郎から至急車をよこしてくれと電話があったので、雨の中を古いシボレーで飛ばした。だが運悪く三郎を乗せてから、途中でガソリンが切れて立往生になり、そこで三郎はいきなり朋子を抱こうとした。朋子は狂った様に三郎の頬を打った。それから間もなく家へ帰った朋子は、東京へ出て苦労するからという三郎の別れの電報を受け、直ぐに駅の方へかけつけた。だが折から浮田と米子の婚約もきまり、それを理由に、信吾の計らいで三郎の出発は中止された。二人の婚約も間近かであろう。