新鞍馬天狗 夕立の武士
劇場公開日:1955年6月14日
解説
大佛次郎の鞍馬天狗ものを「俺も男さ」の松浦健郎が脚色し、「天下泰平」の杉江敏男が監督する。撮影は「月に飛ぶ雁」の完倉泰一。主な出演者は「お笑い捕物帖 八ッあん初手柄」の小堀明男、「潮騒(1954)」の高島稔、「大番頭小番頭(1955)」の北川町子、「雪の炎」の宝田明、「33号車応答なし」の志村喬、「「春情鳩の街」より 渡り鳥いつ帰る」の藤原釜足、「宮本武蔵(1954)」の尾上九朗右衛門のほかに土屋嘉男、小杉義男、左卜全など。
1955年製作/96分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1955年6月14日
ストーリー
氏家平左衛門は二条城城番大久保石見守と共に、水戸家の御落胤松平善三郎を担ぎ出して幕府の実権を奪う計画をたてた。御金蔵番手代木は石見守に命ぜられ千両箱を二条城から持ち出し、山伏と共に馬で運び去った。杉作、吉兵衛と共にそれを見ていた鞍馬天狗は通りかかった武士の馬を奮って後を追ったが、善三郎の供侍大河内勘解由の愛人お珊に邪魔をされて見失った。翌朝、天狗はお珊と逢った三叉路の附近の屋敷跡の古井戸から空の千両箱と手代木の死体を発見した。勘解由は氏家に軍資金が来ないことを責めたところ、氏家から天狗の邪魔で来ないと聞き、天狗と会い味方にひき入れ様と仕官をすすめたが天狗は取り合わなかった。氏家はこの機に天狗を葬ろうとしたが、お珊に邪魔をされ誤って勘解由を射殺して了った。お珊は勘解由の仇と短銃を持って氏家を追ったが捕えられ山伏の本拠丹波の三国寺へ拉致された。善三郎、氏家との連絡も絶え、石見守は陰謀がばれるのを恐れて一橋慶喜の用人平岡円四郎に相談したが断られた。石見守から氏家の居処を聞き、天狗は吉兵衛と山伏姿に扮して丹波に向った。氏家にはかられていたことを悟った善三郎は、毒槍を持って氏家を追ったが氏家がお珊の部屋に逃げ込んだのに逆上しお珊を突いた。駈けつけた天狗は山伏を相手に斬り結んだが、毒がまわったお珊は天狗の名を呼びながら死んで行った。小判を持って逃げようとした氏家は、ついに天狗の破邪の剣に仆された。