忘れないよ
劇場公開日:1955年5月29日
解説
「陽気な天国」の近江俊郎が、近江プロ第二回作品として製作、原案、監督、主演を担当する音楽喜劇。脚本は作曲の米山正夫が執筆。撮影も「陽気な天国」の杉本正二郎。主なる出演者は近江俊郎を初め、「陽気な天国」の三木のり平、丹下キヨ子、白根一男、城美保子のほか宮城まり子、森川信、千葉信男、市村俊幸などである。
1955年製作/60分/日本
原題または英題:I Won't Forget
配給:日活
劇場公開日:1955年5月29日
ストーリー
アパートすみれ荘に住む夢夫はレコード作詩家を夢見ているが、今迄にレコードになったのは“忘れないよ”という歌一つだった。アパー卜の管理人夫婦は内職に高砂社をやっている。上の部屋に居る信麿は勘当された放蕩息子で、チンドン屋の娘まり子を追いかけ廻し、夢夫に切ない恋の詩を書かせてはまり子を訪れる。或る日、夢夫がまり子を公園に誘った時、まり子は信麿を詩人だと賞めた挙句、その詩を夢夫に読んで聞かせたが、つい釣りこまれて夢夫が一緒に暗誦したので、夢夫の書いたことがばれてしまった。信麿の部屋に妹美智子が様子を見に来たが、信麿は妹のはめている指輪を取り上げて、家から金を持って来たら返してやると云ってワイシャツのポケットにしまった。ところが翌日、信麿は指輪のことはうっかり忘れて、まり子にワイシャツの洗濯を頼んだ。そして指輪がなくなったので嫌疑はまり子にかかり、アパート中の冷たい視線を浴びた。その中で、やさしくまり子をかばうのは夢夫であった、その夜、人々の冷罵を浴びたまり子と父は故郷へ帰る決意をし、翌朝置手紙をして発って行った。夢夫は入違いに帰って来て、刑事から指輪はバタ屋に拾われて無事に戻ったことをききあわててまり子を追ったが、間に合わず、上野の陸橋の上から出て行く汽車を見送った。