うちのおばあちゃん
劇場公開日:1955年5月15日
解説
内村直也原作の連続放送劇の映画化で「愛のお荷物」の柳沢類寿が脚色し、「息子の縁談」の春原政久が監督に当る。撮影は「初姿丑松格子」の山崎安一郎。出演者は「にごりえ」の田村秋子、「青春怪談(1955 市川崑)」の北原三枝、「銀座の女」の長谷部健、「月は上りぬ」の佐野周二、安井昌二のほかに東谷暎子、牧真介、島田文子など。
1955年製作/96分/日本
原題または英題:Our Grand Mama
配給:日活
劇場公開日:1955年5月15日
ストーリー
東京の近郊に住む岡本家は近所の人気者あさまお婆ちゃん男寡の鍋作、性格は正反対で瓜二つの双生児正子と槙子、勤勉家の千曲、野球に夢中のお転婆娘渚、駄々子の木工坊やの七人家族である。木工の誕生日と亡嫁の命日の重った日、あさまは誕生祝と墓参の仕度に転手古舞である。大東産業に勤める正子が扁桃腺炎に罹った時彼女を見染めた診療所員佐貫次郎は、その日瓜二つの毎朝新聞に勤める槙子を正子と見違え、彼女と話すうちに彼女の気性に惚れ込んで了う。一方槙子の恋人社会部記者安藤三郎も正子と槙子と取り違え、男勝りの槙子と違って正子の家庭的で清純な性格にひかれる。夕刻木工が家へ帰ると渚が野球の練習中に大怪我をして入院したと大騒ぎで、誕生祝どころではない。翌日、隣家のきりは佐貫夫妻から縁談があったというが正子にか槙子にか分らず、一ぺんに決りをつけるのが好きなあさまは二組の恋の狂言廻しをしようとはり切る。鍋作は勤先の白光ゴムが経営不振だからと辞職願を出し、あわてたあさまは専務の許へ取り消しに行く。三郎が特種記事を書いた時知ったという白光ゴムの内幕を聞き、槙子は姉弟で事件を糾明した。気の弱い鍋作も子供達に励まされ部課長会議の席上営業の合理化を叫び、組合の支持を受け総務課長に栄転する。その上きりの夫善吾に紹介された飲み屋のマダムとの縁談が持上る。数日後、鎌倉の八幡宮ではあさまの待望の三組の集団見合が行われる。