貝殻と花

劇場公開日:

解説

吉屋信子の新聞連載小説を、「哀愁日記」と同じスタッフの沢村勉、田畠恒男、布戸章が脚色、監督、撮影に当る。出演者の主なる者は「息子の縁談」の有馬稲子、「森蘭丸」の宮城野由美子、「哀愁日記」の紙京子、「路傍の石(1955)」の菅佐原英一、大木実、永井達郎などである。

1955年製作/105分/日本
劇場公開日:1955年4月26日

ストーリー

タイピスト学院を揃って卒業した真理子、多喜、与志の三名は、共同でアパートの一室を借りて就職した。真理子の父は敗戦後自殺した、満洲の大立者だった。秘書の葛原は自殺を止めようと拳銃を奪いあう中、弾丸が発射して父は死んだのだった。帰国後、彼女は葛原に財政の援助をうけ、そして互いに愛情を抱くようになりながら、父の死を思うと、どうしても彼の愛情を受入れる事が出来なかった。与志は千葉の田舎の寺に生れ、若い僧の晃道は秘かに彼女を愛していたが、与志は寺の生活を嫌い或る大学生を想っていた。多喜は両親を失い、特飲店を営む叔母澄代に養われて卒業したが、人には叔母は茶と生花の先生だと偽っていた。与志は葛原の経営する積善会に勤め、真理子の兄正男と親しくなったが、真理子は不真面目な兄と与志の交際を喜ばなかった。多喜は保険会社の同僚浦井から求婚されたが、浦井の母マスが調査の結果彼女の叔母が特飲店の女将だと分って破談になる。真理子と与志も初めてこれを知ったが、優しく多喜を慰さめた。澄代は村上という男と再婚の約束で店を売払ったが、男には妻子があり金まで着服される。怒った多喜は村上を投げとばして負傷させた。多喜はアパートの隣室に住む光吉と共同で洋裁店を開く計画を立て、真理子はその資金を彼女に残し、葛原への愛情に苦しみつつ米国へ渡った。そして与志は秘かに想っていた大学生が栄達のため他の女と結婚したことを聞いて悩んだが、晃道が始める農村の託児所を手伝う決心をした。

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