やんちゃ娘行状記
劇場公開日:1955年1月9日
解説
『婦人生活』連載の長沖一の原作を「和蘭囃子」の松浦健郎が脚色、「お坊主天狗」の渡辺邦男が監督する。撮影は「犬神家の謎 悪魔は踊る」の渡辺孝、音楽は「水着の花嫁」の松井八郎の担当。出演者は「潮騒(1954)」の青山京子、「ゴジラ(1954)」の宝田明、「天国と地獄」の榎本健一、「うれし恥かし看板娘」の柳家金語楼のほか古川ロッパ、トニー谷など。
1955年製作/87分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1955年1月9日
ストーリー
オリンピックで優勝した体操選手草尾由季子も年頃の娘で、両親の方では早く結婚させたくて仕方がないのだが、当人はふざけ半分のお見合をするばかりで素知らぬ顔をしている。或日、親友の美重と散歩中、易者の石橋に占ってもらうことにしたが、これが落第学生のアルバイトというニセもので、由季子を見たとたんに口がきけない。それから由季子は体育館で平均台の練習をはじめたが、ハゲ頭の丸山がそれを見て真似をして転落してしまった。翌日、由季子はトニーと見合していると、通りかかった石橋がこの仲を月とスッポンだと云ったので、トニーは泣き出してしまった。驚いた由季子はハンドバッグを忘れて逃げ出したが、それを持って石橋が追いかけると、それとは知らぬ彼女は気味悪がって都タイムス社の中へ逃げこんだ。由季子は思わず社長室へ飛びこむと、そこで傷の手入れをしているハゲ頭の社長が例の丸山だった。そこへ馳けつけた翼記者が、彼女を見てオリンピックの草尾由季子だと云ったので、社長も非礼をわびて彼女に入社を懇請した。美人の入社に気を良くした翼は、実は例の石橋の後輩で同じ下宿にいたのだ。由季子は翼の指導で一人前になったが、その頃社長がゾッコン参っていたバレリーナ睦子の発表会のことで二人は一寸仲違いした。その会は大矢敗に終った。うんざりした翼が石橋と歩いていると、公園のベンチで由季子に抱きつこうとするトニーが目に入ったので、「ぼくの恋人に何をする」とトニーを追った。二人の仲を知った石橋は、淋しかったがソッと身を引き、由季子は幸福そうに翼に抱かれたのであった。